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コラム

熱狂を創りだすリレーコラム 「Advertising Week Asia 2016」開催記念

さとなおさん、広告業界で独立して仕事をつくっていくにはどうしたらいいですか?

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成功体験をするりと脱ぎ捨てられますか?

世界は大変革時代に入った。世の中は誰もが想像つかない方向に(それも数年ごとに)革新・革命・大跳躍し、それは今後もしばらくは続いていくだろう、ということだ。

そして、そういう時代に「独立する」「仕事をつくる」には、その革新・革命・大跳躍に喜びをもって取り組める「好奇心」と「柔軟性」と「筋力」が必須だ、ということである。

たとえば、今あなたが何か「先端技術」を売りにしているとする。その技術、たぶん5年で古くなる。そこに固執してしがみついているとじわじわと時代から遅れていく。組織内なら少なくとも居場所はあるが、独立していると仕事はどんどんなくなっていく。だから、その先端技術をさらりと捨てて、次の技術にいかに身軽に移っていけるかがキーとなる。

たとえば、あなたが今、何か「専門分野」「得意分野」を持っているとする。その分野、10年後にはもう存在していないかもしれない。いまは旬な分野でも10年後には「そんな分野あったっけ?」ってことにもなりかねないのだ。だとすると、その専門分野を軸に独立するのは非常に危険ということになる。だから、その分野での成功体験をするりと脱ぎ捨てて、次の分野にいかに身軽に移っていけるかがキーとなる。

え? わりと身軽なタイプだから大丈夫っすって?
うん。それなら安心だ。
でも、それが組織内のことであるなら、ちょっと割り引いて考えた方がいい。

組織にいると、上司の命令やクライアントの要請で、無理矢理新しい分野を担当させられることも多い。そういう外圧に身軽に対応できることと「自分ひとりで自ら自分を変えていくこと」は大きく違う。

組織から独立してひとりになるということは、「上司やクライアントに無理矢理新しい分野をやらされるということがなくなる」ということだ。自らが自分に「新しい分野」を課さないといけない。新しい分野に積極的にトライしつづけるモチベーションを自ら維持していかなければならない。それはあなたが思っているより、わりとしんどい。

ネガなことを書いているようだが、これは逆説でもある。

先端技術も専門分野も得意分野も特にはもっていなくても、どんな変化にも対応できる好奇心と柔軟性と筋力があれば、「今の時代の独立」に向いている。仕事も作れる。

もしくは、それらを今からでもいいから身に付ければ充分間に合う。

次々と目の前に現れる新しいツールや技術、考え方を、面倒くさいと思わずやってみる。固定観念や先入観に囚われず、いろいろな分野に手を出して楽しむ。成功体験を脱ぎ捨ててすぐ次に移る身軽さと柔軟性を、自分に課す。どんな時代になっても応用が利くように基礎をしっかり学んでおく。

そういう方向に自分を変化させていければ、今の時代の「独立」に適した自分になることができると思う。

昔は、その分野で一流になっていなければ、独立は難しかった。今はそれがない。逆に一流のほうが「身軽に次に移れない」分、つらいかもしれないくらいなのだ。

革新・革命・大跳躍の時代は、大チャンスの時代でもある。

既得権益がはびこりがちで変化を厭いがちな組織を軽やかに飛び出して、身軽に動き回れる人が増えれば増えるほど、時代は楽しくなるかな、と思ってる。まぁボクがいつまで身軽に次に移り続けられるかは別にして(つまりいつまで生き残れるかは別にして)。

ひとりになったあなたにお会いできること、ニコニコ待ってます。

なにか楽しいこと、やりましょう。