ディスプレイ広告で稼ぐ時代が終わる? スマホのユーザー体験が突きつける現実

画像提供:shutterstock

この連載では、メディア、とりわけても「メディアビジネス」をめぐって起きている、さまざまな地殻変動的な事象を確認していく。これらの変化は根源的であり、その影響はメディアの中心部ではもちろん、収益モデル、組織や採用、マーケティングなど周辺部へと広範囲に及ぶ。これら事象が、メディアのビジネスを今後どう変化させていくのか、分析と予測も述べていきたいと思う。

初回は、モバイル時代の「ユーザー体験」の変化と「広告ブロック」問題から始めたい。メディアと広告業界が長らく依拠してきたマネタイズ戦略、その大転換が近づいている。

なぜ広告ブロックが急増するのか

まず、「広告ブロック」のトレンドだが、むろん、「アドタイ」読者であれば関心をもって見ているだろう。国内の広告市場に与える影響はまだまだ軽微だとの“楽観論”もあるようだ。だが、モバイル時代の「ユーザー体験」の核心的課題と組み合わせて考えれば、楽観を許す現象ではない。

順を追って検討しよう。まずは、その現状だ。

米国PageFair社の調査によれば、2015年、モバイル分野で広告ブロック機能を4億人以上が利用しているところまできた。これは19億人にまで膨れあがった全世界のスマートフォン利用者の22%に相当する(「

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藤村 厚夫(スマートニュース)
藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

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