藤村厚夫のメディア地殻変動
藤村 厚夫(スマートニュース)
90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。
2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。
2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。
このコラムについて
1990年代、インターネットの普及によって、メディアは紙やCDといった“モノ”からデジタルへと、大きく変化しました。そして21世紀現在、今度はスマートフォンの登場によって、メディアの形態はもちろん、コンテンツの創り方や配信、その消費の仕方までが変わりつつあります。パッケージ化されたメディアではなく、一記事、一曲単位でコンテンツが消費されるようになり、情報発信の手段が手軽になったことで、日々生成されるコンテンツの量は驚くほど膨大になりました。読むべきコンテンツを選別・提示するニュースアプリが誕生し、そのコンテンツをソーシャルメディアで共有・拡散するなど、メディアを取り巻く環境はまさに地殻変動を起こしています。
メディアと関わりが深い広告やマーケティングの世界も、この地殻変動の影響を受けています。感覚やイメージを訴求する従来からのやり方に加え、データを使ってターゲティングを行い、リーチしたい層に確実にメッセージを届けるなど、広告コミュニケーションの設計も変わりつつあります。こうした時代、マーケターや広報・宣伝担当者は、どのようにメディアや広告に向き合い、戦略を立てるべきなのでしょうか。長年メディア事業に従事し、国内外のメディア事情やテクノロジーの動向をウォッチし続けている中で見えてきた、変わらない「本質」と対応すべき「未来の変化」について、事例とともに解説します。
-
「広告の終わり」が始まった、邪魔ものからの変身は可能なのか?
連載12回目を迎えた本稿では、いよいよ「広告の終わり」について考えてみなければならない。
-
大手広告主の予算凍結事件が突きつけるもの。メディアが生み出す文脈的価値とは何か?
過去、本連載で、「現在のメディアとメディアを取り巻くビジネスの、ある種のモラルハザードが極まった構図」について警鐘を鳴らした。それは、2016年の米国大統領選が私たちに突きつけた、フェイクニュースがビ...
-
コンテンツの供給過剰が価値下落を生む?メディアの付加価値を高める5つのポイント
コンテンツの供給、加えて広告ビジネスは、「過剰性の経済」ともいうべき段階に突入している。
-
「エンゲージメント」はメディアの価値を支えられるか?2016年の大転換から見直す
本稿では、「エンゲージメント」という指標を、とらえ直してみたい。
-
2017年、メディアをめぐる白熱のポイントを展望する―藤村厚夫氏(スマートニュー...
新たな年を迎えて時間が経った。だがメディアとテクノロジーが交差する分野においては、昨年後半から本質的な議論がなお進行中だ。
-
Webメディアへの信頼が揺らぐなか、課金型メディアが新たな局面を迎えている
広告収入に望みを託すのではなく、自らのコンテンツの品質やブランドをテコに、課金収入を伸ばそうとするメディアの取り組みが改めて目立ってきている。
-
米国大統領選を動かした?“フェイク(偽)ニュース”とメディアはどう戦うのか
2016年11月、ドナルド・トランプ氏が次期アメリカ大統領と決まったことは、当のアメリカ国民だけでなく世界中に大きな衝撃をもたらした。
-
近未来のメディアでは、「編集部」が姿を消すかもしれない
「分散型メディア」、「ストリーミング(ライブ)メディア」、そして「ボットメディア」など、今年もまたテクノロジーとメディアをめぐるホットなキーワードが取り沙汰されてきた。
-
Facebookはメディアではない?テクノロジーとメディアは文化的に相容れぬのか
世界中で16億人もの月間アクティブユーザーを擁するFacebook。世界最大のソーシャルネットワークと言うことができるが、それは同時に現代のメディアを語る際に決して外すことのできない“世界最大のメディ...
-
メディアはどうすれば「PV」や「UU」といった「規模的」指標から脱することができ...
いま、メディアの価値は“規模の視点”から“質的な視点”への転換を、計測可能な指標で議論できる段階に入った。さらには、それに続く“第三の価値”を問う段階がやってきている。