広告業界3位・ADK 社員110人が選考に参加した理由とは

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広告業界では電通、博報堂に次ぐ業界3位のアサツー ディ・ケイ。
2017年度の新卒採用では、のべ110人の社員が選考に参加する「相棒採用」で内定受諾率を前年度比27%も改善した。『広報会議』2016年11月号では、その仕組みを紹介する。
相棒社員は今回の採用にあたって専用のInstagramアカウントを開設。説明会で回答しきれなかった質問に投稿で答えるなどの使い方も。

「ヒジョーシキで行こう」─。新卒採用活動に向けて掲げたスローガンの通り、アサツー ディ・ケイ(ADK)では2017年卒の採用活動から「相棒(バディ)採用」という新たな仕組みを取り入れた。新卒採用を学生のためだけではなく、社員にとって「未来の相棒を探す場所」として捉えることで、のべ110人の社員が自分ごと化し、選考に関わる空気を形成。内定受諾率を前年度比で27%も増加させるという結果につながった。

面接官と相棒の2つの役割

2017年度採用は、有効求人倍率の増加など採用における売り手市場化という課題感と、「なぜADKなのか」という思いをしっかりと持って入社してほしいとの考えから始まった。「応募書類を受け付けている段階での広報も大事だが、実際に選考に進む学生といかに向き合えるかが、お互いにミスマッチをなくし、納得して入社いただく上でより重要だと考えました」と人事局の安本一優氏は語る。

結果、できあがったのが社員を「相棒」として指名できる制度。学生は「属性」「日々」という2つの切り口から採用サイト上で110人の社員を検索、さらに連携したInstagramのアカウントから社員の日常を見ることができる。 

個人紹介のページからはその社員が登場するイベントへの参加を申し込むことができ、そこで「相棒」として指名された社員が、学生の一次選考を担当する。通過した学生には社員が面接のフィードバックをするなど、学生の応援役になるといった流れだ。

熱量の高い学生を見極める

このプロジェクトには、クリエイティブディレクターの贄田(にえだ)翔太郎氏、コピーライターの杉田雄氏、アートディレクターの岡本祥平氏が中心メンバーとして関わり、「相棒採用」の企画と仕組みの開発から具体的な採用ツール、サイトのクリエイティブまで一貫して設計した。「本当に欲しい学生を採用するために、クリエイティブも従来以上にこだわりました」と贄田氏。

選考ではオファーシートと呼ばれる自由回答の書類を設け、学生の熱量をはかる場面も。相棒役の社員も学生がどれほど熱心に志望しているかをシビアに判断するそうだ。

本部長面接の前には相棒社員からメッセージカードが渡された。お守りとして胸に入れたまま面接に臨む学生も多いそうだ。

応募のハードルが従来よりも上がったために応募総数は下がったが、選考中の辞退はゼロに。内定受諾率も改善され、「楽天 みんなの就職活動日記」の「2017年卒 新卒就職人気企業ランキング」で採用広報のイメージが良い会社1位に選ばれたほか、日経新聞や日経ビジネス、MBSラジオなどで取り上げられ、SNSでも話題となった。

社員と学生が密にコミュニケーションをとることで理解が深まっているといい、「内定後も相棒社員と継続して接する機会があり、配属の際などに相棒社員の意見を参考にすることができます。2018年度の採用活動でも継続して取り入れていければ」と安本氏は話している。

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