訪日メディアMATCHAの「やさしい日本語」版はいかに生まれたか?

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「日本語学習者にとって、使える日本語教材は実は限られている」という気づき

朝日広告社 加藤(以下加藤):『やさしい日本語』を言語選択に導入するきっかけは何だったんですか?

青木:東京外語大学の日本語教師の方からお話をいただいたことが始まりです。記事を翻訳してもらったところ、とても意義を感じたので、すぐに取り入れることにしました。

実は日本語学習者の方にとって、使える日本語教材は限られているそうなんですね。あるにはあるんですけど、すごく古い教材だったり、今の日本を全く反映してないような教材しかない。そこに対して、今の日本を知りながら日本語に触れられるようなものを作ったら、役に立つサービスになるんじゃないかと思い、導入しました。

加藤:実際にこの言語サービスを導入してみて、反響はどうでしたか?

青木:読者の反響でいうと、コメントがかなり増えました。ユーザーの滞在時間やリピーターの数も他の言語に比べて1.5倍ぐらいあったり。

加藤:すごいですね。大賞受賞後にも、反響は何かありましたか?

「海外からの旅行者が日本語を思いっきり話せる街を作る」新企画に発展

青木:はい。ちょうど先月リリースしたんですけれど、電通さんと一緒に「やさしい日本語ツーリズム」という研究会を立ち上げることになりました。

「やさしい日本語ツーリズム」WEBサイト

「日本語学習をした海外の旅行者が観光を楽しみながら、日本語を使って街を楽しむ」という取り組みです。この形って、『やさしい日本語』のかなりきれいなアウトプットなんじゃないかなって思ってます。日本に来て日本語を話すことが、ある種のアクティビティーになる可能性があるわけですよね。観光っていう側面と日本語を話すっていう側面とで街を楽しむ。それって新しいんじゃないかと。昨年大賞をいただいたことで、この事業を進めるにあたり、社内や周囲の人を巻き込むのに助かっています。僕自身もこの『やさしい日本語』っていうものを伝えやすくなりましたし、相手からも信用されやすくなりました。

加藤:受賞が、その後の取り組み拡大に貢献したというのは、私たちも嬉しいです。ちなみに、推薦者の桑原さんがこのサービスを知ったきっかけは何だったんですか?

朝日広告社 桑原(以下桑原):大学時代から海外旅行によく行ってたんですが、そのつながりで、青木さんの世界一周ブログをちょくちょく見てたんですよ。しかも、大学も一緒だったと知り、ツイッターもフォローしていました。そのツイッターを通じて、今回の『やさしい日本語』のサービスを始めたことを知りました。

加藤:大学時代から注目していたんですね。

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