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独自モデルで急成長した企業、パイオニアだからこその課題とは?

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強固なブランドイメージだからこそ、コラボの発想も広がる

「JAPAN CMO CLUB」研究会恒例となった、他の参加企業のマーケティングアイデアを事前に考え、発表しあう場では、これまで以上に議論が盛り上がり、またコラボレーションのアイデアへと話が膨らんだ。

ユナイテッドアローズブランドを体験いただくために、家具など住空間のライフスタイル提案もしている同社の高田氏からは、同様の展開を星野リゾートにも応用できないか、との提案があった。
「『星のや』に行けないときでも、日常の生活空間で星のや的な非日常感を味わえるような商品開発ができないか」と高田氏。これを受けて佐藤氏からは、「各部屋に備え付けられた“ブランドブック”が、星野リゾートの体験を自宅に持ち帰ってもらうツールの目的で制作している。このブランドブック以外にも日常の中でも、星野リゾートと触れてもらえるような新しい接点の開発の可能性は大いにある」と賛同の声を上げた。

星野リゾートが宿泊客にプレゼントしているブランドブック。

人口減少や日本の食をとりまく環境の変化などの社会背景から、料理教室だけでなく「食を通した新たなサービス」へと事業ドメインの拡大を図ろうとするABC Cooking Studioでは、教室に通う以外にもブランドと接点を持つ場をつくろうと模索しているという。

こうした課題を抱える同社の吉村氏からアンファーの臺氏に対して「食と健康は密接に関わりがあり、当社では生徒さんに健康面を踏まえた献立提案もしています。アンファーさんはドクターの方たちとのネットワークが強みと思いますので、商品提案に際してドクターによるカウンセリングの機会を設けたらどうか」との提案がなされた。また、そのカウンセリングに際しては教室というリアルな場を持つ、ABC Cooking Studioとのコラボレーションもありうるのではないか、と話は発展した。

課題は同じでも、異なる解決のアプローチ

研究会に参加する前に、互いの会社のWebサイトを見て、事業内容を研究したうえで、アイデアを考えてきたという今回の4名。それだけにコラボレーションのアイデアも、具体的な展開まで議論が広がった。全国一律のコース設定で料理教室を展開するABC Cooking Studioからは地域ごとの独自性を打ち出した宿泊施設の開発、その中での体験コンテンツづくりを重視する星野リゾートとコラボした、地域の郷土色をテーマにした料理教室が展開できないか、といったアイデアも出てきた。

議論を終えて佐藤氏からは「自社にこもっていると狭い範囲の中で、つい売上に直結することばかり考えがちになる。今日のような視野が広がる議論の機会は貴重」と感想があった。

臺氏からも「議論の中で、感じることが多くあったので、会社に戻ってから各部署のメンバーと共有して活かしていきたい。せっかくのご縁なので、今後ビジネスでコラボレーションできれば」と話した。

また課題に共通点を見出したという感想も多くあがった。「最初、参加される他の3社が錚々たるブランドで、尻込みしてしまったけれど、同じようなことに悩んでいると知り、前向きな気持ちになれた」とは、吉村氏の感想。高田氏も、課題に共通点があるとの感想を示しつつ「各社の課題解決のアプローチを知ることができたのが、とても参考になった」と話した。

JAPAN CMO CLUB Founderの加藤 希尊氏。

議論を受けてJAPAN CMO CLUBの加藤希尊氏は、「今回のディスカッションでは特にコラボレーションに関するディスカッションが盛り上がり、これまで以上に実現性の高い、ワクワクするアイデアが多く出てきました。議論が盛り上がるのは、参加者の方たちが社名を聞いただけで、お互いの企業やブランドが提供する体験価値を理解しあえていたからこそ。それだけ強いブランド力があることの証でもある」と話した。

さらに「今回の研究会では、次なる成長のために『ブランド体験』を提供する新しい場やチャネルを開拓するという点にフォーカスが当たりました。他ブランドとのコラボレーションは、自社が接点を持ちにくい領域で自社ブランドらしい体験を提供できる、一つの手段と言えるかもしれません」と、会議室から生まれたコラボレーションのアイデアの具現化に期待を寄せた。

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