徳力 基彦 氏(アジャイルメディア・ネットワーク 取締役 CMO ブロガー)
NTT等を経て、2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視するアプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。
大手メディアの事前予想が大きく外れた
個人的に今回のアメリカ大統領選挙において、両候補のコミュニケーション戦略そのものはあまり実際にウォッチしていませんし、印象に残るところはありませんでした。
8年前のオバマ氏は、ソーシャルメディアの上手な活用により、特に変化を求めた20代の若者の多く支持を集めたことで、なだれ式の大勝利を生んだ印象がありますが、今回の大統領選挙はトランプ氏のコミュニケーション戦略の勝利という印象はありません。
それよりは、既存のオバマ政権の方針に不満を持っていた層の雰囲気にトランプ候補がうまくはまったのと、スキャンダル合戦になったことで優等生であるべきヒラリーより、最初から暴言キャラのトランプ候補の方が失うものが少なかったのでは、というぐらいの感想でしょうか。
ただ、今回の大統領選挙で、個人的に非常に印象に残ったのは、大手メディアの事前予想が大きく外れた点でした。
ニューヨークタイムズの選挙予測サイトが象徴的でしたが、日本時間の午前9時時点でクリントン氏の当選確率が80%だったものが、11時頃にみるみるうちに逆転する結果となりました。
英国のEU離脱もそうでしたが、国民を二分するような選挙において、選挙期間中に大手メディアが片方を応援したり、優勢を報道すれば報道するほど、大手メディアや既存既得権者に対して悪い印象を持っている層の人々が、その報道に対して反発する。このようなマスメディア支援の逆効果現象が起こっているのではないか、という仮説への印象が強くなる選挙結果でした。
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