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「テレビCMの真価を見極める」セミナー、 ソフトバンク、ライフネット生命、インテージが登壇

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第3部パネルディスカッション:改めてテレビの効果を考える


講演者:
ソフトバンク コミュニケーション本部 広告宣伝統括部 宣伝部 部長 小林 孝司 氏
ライフネット生命保険 マーケティング部 広告宣伝・PR担当 肥田 康宏 氏
インテージ MCA事業本部 副本部長 兼 IXT(イクスト)取締役 塩塚 義雄 氏

モデレーター:
宣伝会議 マーケティング研究室 主任研究員 陰山祐一

第3部では、ソフトバンクの小林孝司氏、ライフネット生命保険の肥田康宏氏、インテージの塩塚義雄氏の3名によるパネルディスカッションが行われた。

冒頭では、パネルディスカッションから加わった肥田氏が、テレビCMの効果測定への取り組みを紹介。ライフネット生命はインターネットで申込む保険会社であるため、テレビCMを放映した際のWebサイトへの来訪者数も効果測定の指標としていると話した。

「例えば、テレビCMの放映時間、番組の視聴率、ターゲットの含有率、クリエイティブの種類など、どの条件であれば最もサイト訪問率の効率がいいかを調べています。また、ネット広告との組み合わせについては、マーケティングのファネルのなかで、上流に位置する認知と興味・関心についてはテレビCM、下流に位置する『行動』『リピート』については、ネット広告という考え方でいます」。

続く、パネルディスカッションでは、「現状のテレビCM出稿パターン」「デジタルとの連携」「予算配分」「クリエイティブ」など、テレビCMに関するキーワードに対する考えをそれぞれが語った。代表的な発言を紹介する。

テレビCM出稿パターン

小林氏
「あくまでテレビCMの目的はソフトバンクブランドに対する好意形成です。そこで、スポットを多用し出稿量に波をつくるというよりも、レギュラー番組を複数本提供し、日常的に接触し続けることが基本的な考え方になります。最近では、若者に接触しづらいため、ゴールデンに加えて深夜番組も意識しています」

ライフネット生命保険 マーケティング部 広告宣伝・PR担当 肥田 康宏 氏

肥田氏
「数年前と比べるとCMを抑制しているため、今はタイムのみ実施していました。タイムにすることで、放映時間ごとの成果がより明確化され、テレビCM1本あたりの効果が分かるようになりました。現在は、今後のメディアバイイングに生かすデータを取得している最中です」

デジタルとの連携

肥田氏
「テレビで誘導し、Webサイトでターゲットごとのニーズに応えるという戦略をとっています。最近は、お子様が生まれたばかりの家庭向け、シングルマザー向けなど、検討する顧客のニーズごとにそれぞれコンテンツを出しわけはもちろん、商品理解を促すWeb動画も複数制作しています」

小林氏
「テレビCMを軸にデジタルで補完することが基本になりますが、携帯電話を買い替えようとしている方のログを取得し、そういう人たちが見ている番組を明らかにすることで、出稿プランを考えるといった、デジタルからテレビに逆算するような取り組みにも挑戦していきたいと考えています」

塩塚氏
「ソフトバンクはテレビCMで認知させ、ネットで刈り取るという一方向だけでなく、Webで告知をした後にCM展開など、双方向の連携がうまいと感じています」

予算配分

小林氏
「Webは出稿している広告だけでなくオウンドメディアやSNSもあり、単純に金額の比率では答えづらいのですが、キャンペーン単位で予算配分・活用メディアを調整するなど、細かく新しい試みをして、経験値をためながらベストな予算配分を都度検証しています 」

肥田氏
「デジタル予算が相対的に増加傾向にあります。Webの方が明確に効果が分かり、チャレンジしやすい面があるためです。先ほど紹介したWeb動画のように、ウェブ広告用のコンテンツを制作し、サイト来訪にどれだけつながるか、テレビCMと比べながら測定しています」

クリエイティブ

肥田氏
「ライフネット生命は大手と比べると予算が少ないため、大手のテレビCMとは異なる戦略が求められます。クリエイティブでは、一般の方に見積もりしてもらう様子や、当社会長の出口を登場させるなど、どうしたら出稿量が少ない中でインパクトを残していけるか、試行錯誤しています。」

小林氏
「冒頭の講演でお話したように、テレビCMの目的は、日常的にソフトバンクに触れてもらって好きになってもらうことです。そのため、そのCMを楽しいと思ってもらえるかということが一番重要です。社内の他部門からの希望もありますが、どれだけ楽しく、印象に残してもらえるかという項目を調査でも重視しています」

最後に参加者へのメッセージを一言ずつもらった。

小林氏
「テレビCMは投資額も大きく、社内からもその費用対効果を問われることも多くあります。広告に対する理解者をどれだけ社内でつくっていけるかも大切です。そこで、役員とクリエイターとの食事会や、若手社員を呼んだミーティングを開催したり、ざっくばらんに意見を言い合える環境作りも大切だと感じています」

肥田氏
「小林さんがお話されたように、テレビCMの予算は大きいため、投資対効果に対する説明責任も重要です。また、テレビCMの発注担当者としては、CMが放映されている番組を見るのはもちろん、社内の誰よりもテレビに詳しくなければいけないと思っています。そうでなければ、それだけの予算を使う重責に耐えられません」

塩塚氏
「お二人の話を聞いて、使い方によって、テレビCMの価値はもっともっと高められることを確信しました。私たちも価値を正しく測れるようにつねに新しい調査手法にチャレンジしていくことで、「テレビの力」を高めていくことに貢献していきたいと思っています」



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株式会社インテージ

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