経済メディアの新たなスタンダードを目指すQUARTZの戦略

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ニューヨークで開かれる米広告界最大規模のイベント「Advertising Week」のほか、最先端の知見が集まるニューヨークの広告会社や制作会社、メディア企業を視察するツアー「Business Creation Lab. 2016 in New York」(JTB主催、宣伝会議企画協力)が9月25日から10月2日まで開催されました。発売中の『宣伝会議』2017年1月号、アドタイ上でもその一部を紹介します。

2012年に最適な経済メディアの形とは

QUARTZ発行人のジェイ・ローフ氏

『QUARTZ(クオーツ)』は、2012年9月に開設したオンラインビジネスメディア。現在、世界で2300万人にリーチしているほか、2016年に提供開始したiOS向けアプリのダウンロード数は34万5000を数える。読者は65%が北米(57%が米国)で、英国、インド、カナダ、オーストラリア、ドイツ、シンガポールと続く。

クオーツが注目される理由はユニークなサイトデザインやUX(ユーザーエクスペリエンス)設計、読者の体験を邪魔しないように設計された広告などが挙げられる。老舗メディアの新規事業ということも大きい。150年以上の歴史を誇るオピニオン誌『The Atlantic』を発行するアトランティックメディア社が設立した子会社が運営している。

「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、エコノミスト、ブルームバーグなどの有力経済メディアが、この2012年にメディアを立ち上げたらどうなるかを考えました。雑誌メディアのような深い読み物やグローバルな視点を保ちつつ、今という時代に合わせるとしたら、もちろん紙メディアではないし、オンラインでもデスクトップではなくモバイルだろう。特にケニアやインド、ナイジェリアなどはそもそもPCでネットを見るという習慣がありません」。

読者の体験を邪魔しない広告

WIRED、アトランティックを経てクオーツを率いる発行人のジェイ・ローフ氏は説明する。グローバルで活躍するビジネスパーソンのうち、37%はモバイルを通じてメディアの情報を収集していた。デスクトップPCは23%、紙メディアに至っては4%だという。ビジネスパーソンの情報収集の仕方が変わっているにもかかわらず、それに対応できているメディアがほとんどないと感じたという。

視察参加者に振る舞われたビールはQUARTZオリジナルのラベルを施したもの

クオーツの優位性は、デザインについても広告についても「読者へのリスペクト」を徹底していることだという。読者の体験を邪魔しないことが最重要であり、ページ内にいくつものコンテンツを掲載して混乱させたり、プレロールで広告を流すようなことはしない。

編集記事と同様に広告も、情報・ストーリーの一部として読者に受け入れられるように配慮している。スポンサードコンテンツ(ネイティブアド)を読んでいる際も、その下には通常記事を含む関連コンテンツが次々と表示される仕組み。これにより、読者の興味関心に合った文脈の中で、広告を表示することができるようになる。スポンサードコンテンツは、一般的なバナー広告よりも多くのユーザーに見られているというデータもある。

スタッフは世界で約600人。うち記者・編集者は100人ほどで、WSJやニューヨークタイムズなどの大手メディアに勤めていた人材が多い。テクノロジーのチームと机を突き合せて仕事をしていることも特徴だ。採用にあたっては、2つ以上の言語を流暢に話せることをしている。スタッフが話せる言語は35に上るという。

「ラボ」と呼ばれるスペース。アイデアを出し合ったり、休憩したり。
「先端企業視察とAdvertising Week ニューヨーク視察研修2017」

テーマは「いかに既存の枠組みを超え優秀なチームと手を組むか」。
社外からリソースを調達し、パートナーと上手く組むことで、広告主企業も広告制作会社も勝てる時代が到来。
広告の枠組みを超え、新しい形の事業やプロジェクトを展開する、米国先進企業に学ぶ人気企画。

◆先着順・6月30日(金)〆切◆
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