【前回】「朝日新聞の「テレビのネット同時配信全面解禁」という報道が生んだ、大きな誤解」はこちら
「恋ダンス」は広告の機能を果たした
『逃げ恥』が終わっちゃいました。そう、もちろんTBSの火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が12月20日、ついに最終回を迎えてしまったという話です。見ていた人も多いんじゃないでしょうか。
このドラマが話題になって若者層から幅広い層に広がり、視聴率も一度も下がらず最終回は20%で走り抜けたことは、みなさんご存知だと思います。そして話題に火をつけたのが、ドラマの最後で主要キャストが踊る「恋ダンス」だったことも、Advertimes読者なら知っていますよね?
私はそのヒットをtwitterから分析しようと試み、Yahoo!に書いたら多くの人に読んでもらえました。
『半沢直樹』もあったじゃないか、というツッコミが出ると思うのでいちおう言い訳をしておくと、あの時は「マスとネットが」だったのに対し、今回はほぼ「ネットが」と言っていいのではないか、ということです。
Yahoo!の記事ではこんな図を使いました。
「恋ダンス」がどう作用したかを図にしたものです。多くの人は、自分で恋ダンスを検索して探し当てたんじゃなく、twitterとかFacebookで「ガッキーの恋ダンスかわいい!」的な見出しが流れて来たので、記事を読んだらTBSのドラマの動画らしいとわかり、動画を見たらホントにかわいかった!という流れだったのではないでしょうか。
恋ダンスを見ていきなり次回放送を見た人もいるでしょうけど、多くの人は「TVer」なり「GYAO!」なりの見逃し配信サービスで前回のエピソードを視聴したでしょうし、まず録画予約しておくでしょう。そうやって徐々に追いついていき、やがてはリアルタイム視聴している。そんな流れではないでしょうか。
ところで、この一連の流れの中で、恋ダンス動画は「広告」のような役割を果たした、と言えそうです。ここには、大事なポイントが2つあります。
まずこの動画は、いきなり「逃げ恥を見ろ!」とは言わない点です。「どお?このダンス、楽しいでしょ?一緒に踊らない?」伝わってくるのはそんな気分です。独立したコンテンツとして楽しめ、そのうえでドラマの楽しさがじんわり伝わってくる。そこがポイントです。
もうひとつは、「恋ダンス」に関する記事が大量に出てきたこと。動画と人びとの接点の役割を、記事が果たしたのです。それらの記事を読むことで、動画を見る準備運動を頭の中で済ませることができる。
何を言いたいかというと、広告に応用できるんじゃないかと言いたいわけです。
「ビデオコミュニケーションの21世紀〜テレビとネットは交錯せよ!〜」バックナンバー
- 伝えたいことが見つかれば、それがブランドジャーナリズム(2022/5/24)
- インターネットで「メディア」は生き残れるのか? JICDAQに取材して考えた(2021/4/30)
- 「楽しくなければテレビじゃない」時代はもう終わっている。(2021/3/25)
- YouTubeは「第6のテレビ局」になろうとしている。(2021/2/16)
- 2020年、日本の広告業界は谷口マサトを喪った。(2020/12/25)
- ネット広告はテレビ広告を超えたけど、ネットメディアはマスメディアを超えたのか?(2020/7/27)
- 広告のいちばん重要な機能は「心を動かすこと」です。(2020/3/13)
- 逆襲するテレビ〜視聴率は世帯から個人へ、量から質へ(2019/3/08)
新着CM
-
AD
クロス・マーケティンググループ
クロス・マーケティンググループ、マーケティングDXを推進する人材を募集
-
クリエイティブ (コラム)
評価軸を理解して競合プレゼンに勝つ
-
人事・人物
ローソン、CS推進室長(23年3月1日付)
-
AD
広告ビジネス・メディア
「予算削減のためだけの広告展開縮小に注意。根拠に基づき成長するマーケティングを」...
-
人事・人物
博展、新社長に原田淳氏 田口氏は会長に
-
コラム
「耳の聞こえない生活」を知るのはとても豊かな時間だった(岸井ゆきの)【前編】
-
特集
メディアDX —— アナログメディア×テクノロジーで活用が広がる!
-
クリエイティブ
新聞は反転できる媒体 東京卍リベンジャーズ最終巻で7種の「逆転広告」
-
広報
バイオ燃料使用の都営バス出発式 小池知事、ハローキティ参加