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今、日本企業が世界に向けて発信すべきメッセージとは?――トランプ新大統領、広報コミュニケーションへの影響⑧(土井正己氏)

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1月21日(日本時間)、ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任した。就任前から政策の方向性のみならず、メディアとの向き合い方、自らの情報発信にも注目を集めてきたトランプ氏の大統領就任を広報・情報戦略、企業のリスクマネジメント、メディアの専門家はどう見ているのか?日本企業の広報・コミュニケーション戦略への影響という観点から予測する。

世界の企業市民としての役割への期待

第45代大統領に就任したトランプ氏は、就任同日に、TPPからの離脱など、早速、保護主義政策を列挙した。保護主義が、米国民の雇用を確保するということだが、その理論は20世紀初頭に大恐慌となって世界を大戦に引き込んだ。そうした反省から、戦後、米国が中心となり世界に自由貿易の枠組みを創り上げたが、今、枠組みが音を立てて崩れようとしている。

2017年は、不安定化へと向かう年となる。その中で、日本は何をすべきか。昨年12月7日のフィナンシャルタイムス紙では、「今後、自由貿易には大きな推進力が必要となるが、それができるのは日本しかない」と断言している。ウォールストリートジャーナルも同様の社説を掲載している。

トランプ氏が、トヨタのメキシコ工場建設を彼のツイッター上で攻撃した時、豊田章男社長のコメントは「我々はメキシコにも雇用と地域社会への責任がある」というものだった。また、豊田章男社長は、米国での100億ドルの投資計画も発表した。世界の企業市民としての責任は果たしていくというメッセージだ。自分たちの立ち位置を見失わず、自由経済の旗手としてポリシーを貫いていると思う。

日本は、世界平和のためにも、自由貿易の旗手として、その重要性を世界に発信していくことが重要である。

クレアブ 代表取締役社長 土井正己氏

グローバル・コミュニケーションを専門とする国際コンサルティング・ファーム「クレアブ」の代表取締役社長。山形大学特任教授。2013年末まで、トヨタ自動車に31年間勤務。主に広報分野、グローバル・マーケティング(宣伝)分野で活躍。2000年から2004年までチェコのプラハに駐在。帰国後、グローバル・コミュニケーション室長、広報部担当部長を歴任。2014年より現職。