2017年はオンライン動画にとって、いったいどのような年になるのでしょうか。僕たちの連載の集大成として、オンライン動画のヒットメーカーたちとざっくばらんに話してみたいと思ってお声がけしたところ、僕らを入れて7人ものメンバーが集まりました。どうやってヒット打率の高いアイデアを生み出しているのか、その秘訣や企画のコツなどを、鬼ムービーのPRプランナー、クリエイティブ・ディレクター、メディア・プランナーそれぞれの視点から迫ります。
<座談会メンバー>
- 世界をも唸らせたNTTドコモ「3秒クッキング」シリーズなどを手がけた、川地哲史さん(博報堂)
- 『Pokémon Go』からBEAMSまで、幅広い分野のファンを魅了してやまない、本山敬一さん(SIX)
- 日本のお茶の間を席巻した、サントリーC.C.レモンの「松岡修造の元気応援SONG」を手がけた、皆川壮一郎さん(読売広告社)
- 直近の案件だけで合計1億再生以上を叩き出した、アドタイの連載「ALL YOU NEED IS BUZZ」でもお馴染みの、栗林和明さん(TBWA\HAKUHODO)
- Panasonicの「LOVE THERMO」「LOVE DRESS」「LOVE DISH」3部作、大塚製薬の「ポカリガチダンス選手権」などを担当した、眞鍋亮平(電通 鬼ムービーのクリエイティブ・ディレクター)
- クリスマスイブの夜を沸かせた、ドワンゴの「#クリスマスは年賀状書くから忙しい」など、メディアを巻き込むプランニングを得意とする、鹿間天平(電通 鬼ムービーのメディア・プランナー)
- 小林市「ンダモシタン小林」や日清食品「INSTANT BUZZ」など、数々のヒット動画のPRプランニングをした、根本陽平(電通パブリックリレーションズ 鬼ムービーのPRプランナー)
アイデアの発想源は、生活者か、ブランドか
鬼ムービー・根本:
「鬼ムービー」のPRプランナー、根本です。僕は、このチームで、言の葉に乗せるための切り口やアイデアをクリエイティブに内包して世に送り出すことがミッションのひとつなのですが、みなさんは、言の葉に乗るアイデアをどうやって生み出しているのですか?
読売広告社・皆川:
極力、シンプルであることを心がけています。僕は、もともと営業出身なんです。クリエイティブじゃない期間が長かったせいか、クリエイティブって難しいという印象が今でも残っていて、人に説明できるような、シンプルさを大事にしたいと思っています。
それと、ヒットするアイデアの答えは生活者のほうにある、ということも大切にしています。クライアントが言いたいことと、生活者が受け取りたい情報には基本的には乖離があって、全然違うものです。なので、コンテンツやプロモーションのアイデアを立てたら、ソーシャルメディアをパトロールして、そのアイデアに対してどんなふうに生活者が反応するか、という仮説を検証しますね。かつては、アイデアをつくる側じゃなくて受ける側だったので、その感覚を思い出しながらやっています。
TBWA\HAKUHODO・栗林:
僕の場合は、言の葉に乗っているものから“しか”、アイデアは考えていません。ネットで話題になっているものや、トレンド、日常で誰かが言っている文句…、それがなぜ言の葉に乗ったのかを解明して、アイデアのヒントやインサイトを見つけています。
