「お客様は神様だ」と自分から言う人は、本当に顧客なのか?

「お客様は神様」という言葉が生まれた背景

前回のコラム

では、広告を顧客視点で考えることの重要性が増していることについて考えてみました。

ここでポイントになるのが、「顧客視点」という場合の「顧客」とは誰かということです。企業の顧客サポートにおいて物議を醸す典型的なキーワードに「お客様は神様」という言葉があります。

元々は演歌歌手として有名な三波春夫さんが使っているフレーズとして流行った言葉ですが、顧客サポートの現場においては「お客様は神様なんだから、もっとちゃんと対応しろ」という文脈で使われることがよくあるようです。

三波春夫オフィシャルサイトでは、この「お客様は神様です」という言葉について、三波春夫さんの次のような発言を紹介しています。

「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ、完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです」。

つまり心構えとしての発言であり、お客様の言うことは何でも聞くべきという文脈の発言ではないことが分かります。

参考:「お客様は神様です」について

ただ残念ながら、一般的には「お客様は神様」というフレーズは、顧客が企業にクレームをする際に使うシーンが多いという印象が強くあります。

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徳力基彦(アジャイルメディア・ネットワーク 取締役 CMO ブロガー)
徳力基彦(アジャイルメディア・ネットワーク 取締役 CMO ブロガー)

徳力基彦(とくりき・もとひこ)NTT等を経て、2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視するアプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。書籍「アンバサダーマーケティング」においては解説を担当した。

徳力基彦(アジャイルメディア・ネットワーク 取締役 CMO ブロガー)

徳力基彦(とくりき・もとひこ)NTT等を経て、2006年にアジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。「アンバサダーを重視するアプローチ」をキーワードに、ソーシャルメディアの企業活用についての啓蒙活動を担当。書籍「アンバサダーマーケティング」においては解説を担当した。

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