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新居の飛び出すDMが、第31回「全日本DM大賞」グランプリ

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優れたダイレクトメール(DM)活用例を顕彰する第31回全日本DM大賞(日本郵便主催)の各賞が3日発表され、グランプリには滋賀県東近江市の「大兼工務店」のDMが選ばれた。

同社は「新居完成のお祝い」として、顧客に飛び出すカード「ミニ新居」をプレゼントし、希望者には知人への「転居のお知らせ」として「ミニ新居」を使用できるようにした。注文住宅においては、クチコミや紹介が商談に結び付くケースが多いが、既存顧客から知人の情報を得て、直接アプローチするのは難しい。そこで家を建てたときに発生する「転居のお知らせ」として「ミニ新居」を活用してもらうことで、顧客自らが見込み客となる知人へブランド情報を発信してくれる仕組みをつくった。

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新居の設計図をもとに制作した「ミニ新居」(広告主:大兼工務店 制作者:滋賀県立大学 山田歩・藤木庸介・三輪あさひ)

DMは、建設中の住居のデータから平面図を起こし、型紙をつくって手作業で組み立てたもの。新居と住人のイラストが「飛び出す絵本」のように浮かび上がる。「ミニ新居」をプレゼントした14組の顧客のうち、10組がお知らせとして使いたいと申し込みがあり、合計220人の知人に顧客が自発的にDMを発送したことになる。顧客からも喜びの声が寄せられ、ロイヤルティの強化につなげている。

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「新居完成のお祝い」として最初にプレゼントされる「ミニ新居」には大兼工務店スタッフからのメッセージ付き。
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左から、審査委員長の恩藏直人氏、大兼工務店の辻野宜昭氏、DM制作者の滋賀県立大学 山田歩氏

代表取締役の辻野宜昭氏は、「私たちは、お客さまにとって身近な相談相手になるべく、喜びと感動提供に力を入れてまいりました。今回の受賞を糧に今後もそうした活動を継続して行っていきたいと思います」と話した。

このほか金賞には、タカギ、早稲田大学校友会、TSUTAYA三軒茶屋店によるDM、3作品が受賞した。また銀賞8点、銅賞12点、審査委員特別賞3点、日本郵便特別賞5点(複数受賞あり)が贈賞式で発表され、表彰が行われた。

審査委員長を務めた恩藏直人・早稲田大学 商学学術院 教授は、贈賞式の壇上で「DMの柔軟さを感じた審査でした。例えば、ギフト的なDMもあれば、お知らせ的なDMもある。あるいは徹底的にターゲットを絞り込むものもあれば、幅広い層を狙うものもあります。グランプリ受賞作は、新築の家を建てた喜びを、手作りのカードで知人に嫌味のない形で知らせることができるものでした。新居のお祝い、ギフトとしてのDMの役割を持つだけでなく、親しい人にカードを渡してもらうことで、潜在顧客にもアプローチできる仕組みが備わっていました。今後も皆さまの力でDMというメディアをさらに進化させていってほしいと思います」と講評を述べた。

本賞は、2015年4月から2016年9月にかけて制作され、発送されたDMが対象。応募651作品の中から「戦略性」「クリエイティブ」「実施効果」の3つの評価軸で選ばれた。29点の入賞作品は、3月6日から10日まで、東京・汐留のトッパンフォームズビル1階ロビーで展示される(10時~18時)。