#SXSW2017「ICT Revolution」から「ICT Based」の世界へ

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本間充 Mitsuru Honma

アビームコンサルティング
プロセス&テクノロジー ビジネスユニット CRM セクター ディレクター

 


今、私は宣伝会議主催の「【SXSW視察研修】Innovation Boot Camp in Texas」にて、SXSW 2017に参加しています。

日本からは、スタートアップを中心に以前から多くの方が参加していましたが、ここ数年、大手企業のマーケティング部門の方が参加するようになってきました。私は、Interactive Tracksのバッジを購入し参加していますが、そのInteractive領域においても、実に多くのトラックの種類が存在します。今年は、以下のトラックがあります。

  • •Brands & Marketing
  • •Design
  • •Development & Code
  • •Government
  • •Health
  • •Intelligent Future
  • •Style
  • •Tech Industry
  • •Workplace

以前参加した経験がある方も、今回のトラックが多いと気づかれるのではないでしょうか。アドタイの読者の方が特に興味を持つBrands & Marketingでも、今年は「チャットボット」や「AI」などの言葉が並び、マーケティング領域で使う技術が、インターネットから、機械学習や人工知能に大きくシフトしているのを感じます。

ICTを、専門家だけで議論する時代の終焉

さて、そんな中、ここまで2日間のセッションや展示会に参加して、私なりに感じた流れは、「ICT Revolution」から、「ICT Based」の世界への変化です。インターネットの登場により、幕を開けたICT Revolutionですが、初期は、その革命や大きな変化がICTの世界に閉じられていました。

しかし、今回のKey Noteのひとつである「Interactive Keynote: Jennifer Doudna」のテーマは、DNAの分析・複製に関するものでした。

Key Noteのひとつ「Interactive Keynote: Jennifer Doudna」のテーマは、DNAの分析・複製に関するもの。

ICTやインターネットとは関係ないと思えるこの講演の会場は、ほぼ満席でした。DNAからRNAをつくり、そしてさまざまな生物科学実験を行えるようになったのは、コンピュータの発展が大きく影響しています。

そして、この講演の中で、カリフォルニア大学バークレー校にて教授を務め、化学者・生物学者でもあるJennifer Doudnaさんは、現在のDNAの分析における3つのテーマを挙げました。

  • •Biology
  • •Technology
  • •Ethics

生物学、技術、そして倫理です。そう、技術が進歩し、DNAの領域も大きな進歩を遂げています。それは、技術の進化が早いこともひとつの理由でしょう。

DNA、つまりすべての生物が持っている遺伝子本体の研究は、最終的には人間という生物も研究の対称になります。どこまで、行なって良いのでしょうか。どこまで、私たちの遺伝子を操作して良いのでしょうか。この科学の応用という領域は、科学者や研究者だけではなく、それを利用するすべての関係者の合意や理解が必要と言えるのです。今回、Jennifer Doudnaさんは、このような議論が必要だと思い、登壇されたそうです。

このように、実はICTが、私たちの生活に大きく入り込み、今までは関係のないと思っていた領域でも多くの議論が必要になってきたのでしょう。

「Interactive Keynote: Jennifer Doudna」の会場はほぼ満員。

焦点は、技術が人々の生活にどんな変化をもたらすか

今年のセッションでは、VR/ARも技術だけではなく、それによってもたらされる私たちの生活の変化についても語られていますし、さらにコンピュータやロボットとの情報のやり取りに、音声を使うような議論も行われています。

SXSWは、このように非常に多くのテーマがあることにより、参加者自身が、それらの情報を自分なりに組み立て、理解する場所なのです。私のこの考えも、最初の2日間の感想です。まだまだ続くSXSWの中で、私の思考もさらに進化するでしょう。

でも、ひとつ、この2日間で理解したことは、ICTをDigital Transformationなどという美辞麗句でまとめるのではなく、私たち一人ひとりがどう向き合うのか。その技術をどう受け入れるのか。また、どの程度の速度で技術進化を認めたら良いのか、考えないといけないということです。もう、「ICT Based」の世界になったのですから。

さぁ、今日もこれから、多くのセッション、展示会、そして多くの出会いから、さまざま学んできます。

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