企業の未来を創るプロダクトとコミュニケーション―その時、クリエイティブに何ができるか?

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「遺伝子」を理解すれば時代に合わせた挑戦ができる

千布:高いブランド力をお持ちの2社なので、ブランディングについてのお考えも聞きたいです。

kajiwara

ニールズヤード レメディーズ 代表取締役 梶原建二氏。

梶原:僕はブランディングにおいて大事なのは、まずは自分たちのGENE(遺伝子)を理解することだと考えています。人間もどのような親から生まれて、どう育ってきたのかがその人の個性をつくりますがブランドも同じ。そして月日の経過とともに人は成長し、また年老いていきますが、人はその年齢に合わせて自分なりに人に良く見せようと振る舞うはずです。

僕はブランディングとは普遍である遺伝子を理解したうえで、その年齢に合わせた外部から期待されるベストな姿を表現することだと捉えています。

千布:私たちの仕事も、クライアントの遺伝子を見つけることからスタートしていると言えます。クリエイティブワークを通じて遺伝子を見つけて言語化し、さらに構造化して社内で継承されるよう組織化しているのだなと考えます。

藤田:僕たちの中にも創業時から受け継がれる「ソニースピリッツ」が共有されています。「アロマスティック」を発売した時、「ソニーが、トレンドの美容家電の市場に参入してきた」というご意見を頂くこともありましたが、僕は純粋にソニースピリッツの系譜に連なるこころに響く新しいライフスタイルの提案として、「アロマスティック」というアイデアに行きついたので、悔しい思いを抱いたりもしました。

千布:藤田さんからはハードウェアの技術で視覚、聴覚のエンタテインメントの世界を提案してきたソニーが、新たに「嗅覚」に訴えるエンタテインメントとして「アロマスティック」を発売されたと聞きました。

藤田:香りは人の情動脳という脳の一部にある原始的な部分を刺激するもの。テクノロジーを使いエモーショナルな部分に訴求できるコンテンツとして、香りはシンプルだけど非常に完結した存在であるという気付きが「アロマスティック」開発の大きなきっかけになっています。

梶原:英語では「Revolution」と「Evolution」という似た言葉があります。前者は変革で、後者は進化の意味ですがニールズヤードもソニーも遺伝子は変わらず、「Evolution」を続けてきたのだと思います。

千布:自分たちの遺伝子を理解しているからこそ、時代に合わせて進化をしていくことができる。なぜお二人が挑戦し続けられるのかが分かりました。クライアントとクリエイターのパートナーシップを考える上でも、そこまで理解し共有できることが強く求められますね。

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