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企業の未来を創るプロダクトとコミュニケーション―その時、クリエイティブに何ができるか?

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ブランディング・エージェンシーのAMD(エーエムディ)と宣伝会議マーケティング研究室が共同で行う「クリエイティブ・ワークスタイル・ハック・プロジェクト」。3回目の研究会では「企業の未来を創る」がテーマ。ぶれない軸を持ちながら時代に合わせた挑戦と進化を続ける2社と議論します。
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左から、ニールズヤード レメディーズ 代表取締役 梶原建二氏、ソニー 新規事業創出部 OE事業室 統括課長 博士 (理学)藤田修二氏、AMD 代表取締役 千布真也氏。

同じ船に乗る一体感とワクワクするマインドをつくる

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AMD 代表取締役 千布真也氏。

千布:これまでのAMDでの仕事を通じ、企業が持つ、理念や哲学は変わらずとも、その表現方法は時代に合わせた進化が必要だと感じてきました。ソニーさん、ニールズヤード レメディーズ(以下ニールズヤード)さんとはお仕事をさせていただいていることもあり、時代に合わせた進化を続けている企業と考えています。

お二人との議論を通じて常に挑戦を続けられるマインドがどこから生まれるのか。またその挑戦に私たちのようなクリエイターがどう関われるのかなど話を伺いたいと思っています。

藤田:AMDさんとは昨年10月に発売したスティック型のアロマディフューザー「AROMASTIC(アロマスティック)」のお仕事でご一緒しています。

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ソニー「AROMASTIC(アロマスティック)」。

千布:商品が完成する前の構想の段階から話をしてもらえたのが嬉しかったです。

藤田:「アロマスティック」は、発売前にクラウドファンディングを行うなど、積極的に外部のアイデアを取り込んでいきたいと考えていました。当社の社内にはデザイン部門もあるのですが、AMDさんからいただいた提案は、社内のデザイン部門とはまったく違う視座で、大きな刺激になりました。

千布:「アロマスティック」の香りの監修は、ニールズヤードさんが担当されています。自然派のイメージが強いニールズヤードさんがソニーさんと組むという決断に挑戦する姿勢を感じます。

梶原:僕はニールズヤードの前にはダイソンの掃除機やFilofaxのシステム手帳を日本に持ってきて販売することをしていました。その経験から、「これまで世にないものに対して多くの人はネガティブな反応をする。でも、そういう難しいプロダクトの方が、成功確率が高い」という実感を持っているのです。

簡単そうなことは、誰もが手を出すので競争が激しいですから。アロマとテクノロジーの融合は、新しい価値を持ったプロダクトなので藤田さんに会った瞬間に、即断しました。

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ソニー 新規事業創出部 OE事業室 統括課長 博士 (理学) 藤田修二氏。

藤田:クラウドファンディングで出資を募っているプロセスでは必ずしも順調とは言えず、周囲からは目標数値に達成しないのではと不安な声を頂くこともありました。

その時に、梶原さんが自発的にニールズヤードさんのサイトのトップページで、まだ販売できるかもわからない「アロマスティック」の動画を流してくれて、そこまで自分ゴト化していただけたことが本当に嬉しかったです。

千布:自分ゴト化というキーワードは僕たちのようなクリエイターの関わり方にも言えそうなことです。

藤田:そうですね。クリエイターの方には、僕たちと同じ船に一緒に乗って考えてもらえるような関係を求めています。

千布:単なる受発注の関係ではなくて、同じ熱量で共にリスクを持って臨んでほしいということでしょうか。

藤田:僕たちに提案した企画を、例えば自分のお金を出してでも実行したいと思えるか。それくらいの覚悟のある人と仕事をしたいですね。AMDさんとの間では今後コミュニケーションの提案だけでなくチームとしての一体感で仕事ができるのが理想です。

梶原:僕は発注者側が、「自分たちを理解してもらいたい」という気持ちを持っていることも大事だと思っています。

「お金を払っているのだから、自分たちのことを理解しろ」というスタンスではなく、互いに情熱をもって向き合うことが必要。もちろんクリエイター側にも、クライアント側のそういうマインドを引き出す努力が必要ですが、そういうキャッチボールがうまくできている時は確実に相乗効果が生まれます。大事なのはどんな制作物をつくるかではなく皆がワクワクできるようなマインドをどう醸成していくことだと思います。

次ページ 「「遺伝子」を理解すれば時代に合わせた挑戦ができる」へ続く