音部大輔(資生堂ジャパン株式会社 執行役員)
目的には「いいもの」と「そうでないもの」がある
では、戦略とは「目的達成のために資源利用の指針」であると定義付け、
では「目的達成のための資源利用の指針」があると、何がいいのかという議論をしました。今回は、戦略を構成する2大要素のひとつ、「目的」について理解を進めたいとおもいます。「いい目的」とSMACについてです。
「いい目的」と「そうでない目的」があるのだとしたら、「いい目的」を持ちたいものです。それはどのようなものでしょう。そして、「いい目的」があると何がいいのでしょう。分かりやすく考えるために、「いい目的」の設定がない場合に、どのような事態が発生しそうか考えてみましょう。
「いい目的」がないと、どこを目指すべきなのかが不明確で、遠回り、逸脱が頻発するでしょう。そもそも、目的が曖昧なままでは、いま近道を進んでいるのか、遠回りしているのか、逸脱しているのかさえ判断できなくなります。
組織・チームで働いている場合には、個々の間での意思統一がしにくくなります。目的の達成のための直接的、合理的な結束ではなく、個人的な人間関係や組織への帰属意識による結束しかできなくなるのは心もとないものです。目的があると、協調し結束する理由ができるので団結を促すことができます。

