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マーケターやプランナーが、複雑化する時代に自分をアップデートさせるための学習とは?

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西村真里子(にしむら・まりこ)

国際基督教大学(ICU)卒。エンジニアとしてキャリアをスタートし、その後外資系企業のフィールドマーケティングマネージャー、デジタルクリエイティブ会社のプロデューサーを経て2014年HEART CATCH設立。 テクノロジー×デザイン×マーケティングを強みにプロデュース業や編集、ベンチャー向けのメンターを行う。Mistletoeフェロー。SENSORS.jp編集長。

 

我々は学習し続ける必要がある。

学び、実践し続ける必要があることをテクノロジーの進化、社会やビジネス変化を通して感じる。

インターネット、デジタルテクノロジーの進化を30年以上も追い続けている米『WIRED』創刊編集長でありビジョナリーのケヴィン・ケリーが出版した本が昨年話題になったが、その著作でもテクノロジー進化により社会変化が激しい時代は「すべてのことがアップグレードし続け、誰もが永遠に初心者になる。いつも新しいことを学び続け古い考えを捨てていく」必要があることを述べている。※1

しかも我々は望むと望まざるに関わらず寿命が伸びている。長く生きる分「定年」は先に進み、もしくは「生涯働き続ける」ことがあたりまえの時代に突入していく。『ライフ・シフト』を著したリンダ・グラットンは、その本の中で「長寿化を恩恵にするためには古い働き方と生き方に疑問を投げかけ、実験することをいとわず、生涯を通じて『変身』を続ける覚悟をもたなくてはならない」と語る。※2

自分がアップデートされていく実感の心地よさ

さて、私自身の話をここから少しさせていただく。私が自分の会社を立ち上げて、約3年が経つ。

IBMにエンジニアとして入社し、その後、転職しアドビでマーケティングを学び、デジタルクリエイティブ企業のバスキュールでプロデューサーとしてプロジェクトを起こす方法を学んだ。

転職する度に「なぜエンジニアではなくマーケターを?」、「外資のマーケティング職を捨てて何故プロデューサーを選んだの?」とまわりからはキャリアチェンジについて興味を持たれたが、自分の中では変わり続け、そして学び続けることがビジネスマンとして生き残る方法だと本能で感じているので、新しいことを学ぶことに違和感やましてや恐怖はなかった。

自分が「成長している」と感じることに生きがいを感じる性質だからかもしれないが、新しい環境で新しいネットワークを作り、新しい困難にぶつかることは、自分がアップデートされていく実感と直結し、ちょっと心地よい。

前段が長くなったが、エンジニア、マーケター、プロデューサー・・すべての経験がいまの私を構成しているのだが、その中でも今回はマーケターにフォーカスして「これからのマーケターが学ぶべきこと」について考えてみたい。

ビジネス活動にはマーケティングの知識が欠かせない

私は企業に勤めている時に、外部で実施されているマーケティング系の講座を受けていた。宣伝会議のマーケティング実践講座もそのひとつである。独立してからは最新テクノロジープロダクトを扱うマーケター向け「Pragmatic Marketing」講座を米国で受講している。

なぜわざわざマーケティングの講義を受けるのか?というとビジネス活動にはマーケティングの知識が欠かせないので、常に最新の講座やフレームワークにアンテナを張って学ぶ必要があると考えているからだ。マーケティングでは、状況に応じた「戦略」を立て、適切な「戦術」を用いて戦う必要があるので、“武器”は一つでも多く身につけておく必要があり、そのためにも学び続けることがとても大切だ。

企業に勤めていると、ある特定領域のマーケティングスキルしか実践できないので、新たな戦略や戦術を得るためにも「時間を確保して勉強する」姿勢は大事だと考える。もちろん本や実地経験でも学べることは多数ある。では、なぜ外部で講座をわざわざ受講するのかというと、同じ課題を持った異業種、異分野のマーケターやその職種に興味を持っている方々とディスカッションすることが独学以上に役立つからである。

現在の課題を共有しつつ、普遍的なマーケティングメソッドを学ぶためには講義で学ぶのが一番近道だと考える。

次ページ 「今後マーケターが学ぶべきこと」へ続く