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「パナソニック宣伝100年の軌跡」(2)製品のパワーを実証する広告―電池の広告篇

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知的な感動を与え続けてほしい

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04. 1983年 テレビCM「そこにビルがあるからだ」

高橋:おもちゃを使った乾電池CMの発展形としてエボルタロボットを制作するときに意識していたのは、キャラクターをつくることでした。同じキャラクターが次々に違うことに挑戦すれば、シリーズとしてつながりが出やすいと考えたのです。エボルタロボットは、グランドキャニオンの後に、ル・マンのサーキットで24時間走行、東海道五十三次の走破、トライアスロンと続きましたが、同じエボルタロボットが挑戦することでストーリー性が出てくるんですね。

橋本:エボルタロボットは、どのようなキャラクター設定ですか。

高橋:好奇心旺盛な冒険家です。当初は、作りもシンプルですし、「これでロボットといえるのか?」「おもちゃではないか?」と批判が出ることを心配していたのですが、ふたを開けてみると、周囲は健気に動くエボルタロボットに感情移入していて、ロボットかそうでないか、といった議論は起きませんでした。

橋本:エボルタロボットにセンサーや、人工知能が入っていたら面白そうですね。表情付きで、「よいしょ!」と声を発するとか。今後に期待しています。

—パナソニックでは乾電池だけでなく、リチウムイオン電池や水素を活用した家庭用燃料電池も販売し、医療や住宅など幅広い領域で電池が使われています。

05. 2005年 新聞 家庭用燃料電池

06. 2012年 新聞 太陽光発電システム

高橋:それがBtoB商材の宣伝であっても、エボルタロボットのようなキャラクターを使ったアプローチはあり得ると思います。そもそも電池は形が決まっているものなので、個性を出すには、限界があります。そのとき、キャラクターを与えると印象に残りやすくなるでしょう。

橋本哲夫(元クリエイティブディレクター)
1969年、博報堂に入社して以来、長きにわたってパナソニックのCM制作に携わり、「そこにビルがあるからだ」などを手がけた。ACC賞グランプリや、カンヌライオンズ金賞など受賞。関西支社MD局長を経て2003年退職。

橋本:電池は、元来人の生活に近い製品ですよね。いつでも使えて裏切らない。未来を切り拓く夢が詰まっています。電池によって生まれる楽しさ、そして信頼感を伝えていってほしいです。

—100周年を迎えるパナソニックのこれからの宣伝活動に期待することは?

橋本:最近のCMを見ていると、製品の優れたところを、面白く、しかし誇張はせずに見せることで、しっかりと世間に知らせていくパナソニックの宣伝の“らしさ”が生きているなと感じています。

高橋:CMに限らず、製品の良さを実証していく宣伝は、一消費者としても面白く見ています。知的な感動を与える、「すごいな」と思わせる宣伝をし続けてほしいです。

電池が拓く、明日の「水素社会」

1923年、自転車用「砲弾型電池式ランプ」の開発から始まった、パナソニックの電池事業。以来、90年以上にわたって培い、蓄積してきた電池技術は、環境の世紀といわれる今、エネルギーの枯渇や地球温暖化など様々な問題の解決に貢献する、カギとして注目を集めています。

例えば、電気自動車やハイブリッドカーを動かす「リチウムイオン電池」。世界の自動車メーカーが、急速に環境対応車の生産にシフトする中、その性能で、世界トップシェア※を獲得しています。また2009年、都市ガスから水素を取り出して発電する「家庭用燃料電池」を世界に先駆けて発売。さらに光触媒を使って、水から水素をつくり出す「光水素生成技術」を開発し、実用化に向けて取り組んでいます。

※2015年度車載用リチウムイオン電池の容量ベースにおいて

2015年 新聞 純水素燃料電池技術

電池宣伝年表

編集協力:パナソニック株式会社


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