広告は嫌われている、という錯覚について

広告は嫌われてさえいない

広告は嫌われている。という議論を最近よく目にします。そのたびに「えーっ?ちょっと違うと思うんだけど」と感じていた人は多いと思います。私もそのひとりです。

そしたら2週間ほど前、このアドタイに田端信太郎さんの「

オーケー、認めよう。広告はもはや『嫌われもの』なのだ。

」と題した文章が載って、これはまた勇気があるタイトルのつけ方だなあと感心しつつ、広告が嫌われている件についてだったので「えー?かなーり、違うと思うんだけど」と反論したくなりました。別に個人的に恨みがあるわけでもなんでもないんですけどね。

それで広告が嫌われている、という命題についてですが、私はこの意見は、間違いだと思います。広告は嫌われてさえいない。それ以下です。広告は「どうでもいい」と思われている。その方が正確だと思います。

好かれてもいないけど、嫌われてさえない。いてもいいし必要らしいことは知ってるけど、いなくなってもおれは困らないね。その程度の存在です。そんな分野です。「嫌われてる?おこがましいわ!」そう吐き捨てるように言われるのが広告です。それでいいんです。

「いや、そんなことない!広告は嫌われてる!」そう主張し続けるなら、オーケー、そこは認めましょう。ただし、「最近のネット広告は」とか「モバイルサイトの広告は」とか、何らか但し書きつけて言ってもらいたいわけです。そう思っていたら、こないだの田端さんの記事には「はてブ」が600も付いてて、はてな民の皆さんがすでに同じようなことを指摘してくれていました。嫌われてるのは広告というより、表示方法じゃないかと。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 4065 / 4703 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)
境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ