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SPIKES PR部門レポート「日本のPRと世界のPRは、日本のカレーとインドのカレーぐらい違った」

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3.Earned 視点

今年のスパイクスでは、ブロンズ以上の受賞作26のうち、73%がソーシャルイシュー系のプロジェクト。私たちが普段携わるプロダクトキャンペーン系は27%です。
となると、一見私たちの仕事ではPRで賞を獲るのは難しく見えます。
そんな中で Earnedなコアアイデア(あとで説明します)でキャンペーンを設計することで見事受賞した事例をいくつかご紹介します。

例えば、
「YOU`VE GOTTA HAVE A TEAM」(GOLD)

これは、オーストラリアにおいて好きなサッカーチームを持とうと呼びかけるキャンペーン。Yoshiという少年を主役に、彼がお気に入りのチームを見つけるまでの過程で、各チームの紹介を行い、国中の注目を集めました。

「Smart Wig」(Bronze)
(映像がなかったのでSpikesのホームページか、こちらをごらんください)

これは、Rugyチームのチームスポンサーだった「THE STAR SYDNEY」がチームの話題化とチームスポンサーである自社への注目を集めるために、SMARTWIG(IoT化されたスマートカツラ)行ったキャンペーン。ファンのために特別に開発された青いカツラの中には受信機もついていてオリジナルラジオでチーム情報を知ることができます。

これらはまず真ん中に“Earned Idea”があり、それをアイデアで終わらせずにしっかりと世の中を巻き込んだ結果(世の中を動かしたリザルト)を出しています。ここで言う“Earned Idea”とは、超浅く言うと「SNSやメディアで記事化されるアイデア」。ただし、昨今のSNS時代を考えると、単なるパブリシティになるアイデアではなく、ユーザーや社会の参加・意見創出などの引き出すNarrative(語りたくなる)なIdeaであることが大事です。
これらのキャンペーンは、日本でも十分実現可能だと思います。

日本ではまだまだPR作業はポジション的にも金額的にも真ん中であることは少なく、どうしてもスモールキャンペーンが多いのが実情かもしれません。
でも、このSNSの時代にこそPRが中心のキャンペーンが求められています。

そのとき、日本が得意なEarnedなアイデアはもちろんのこと、リザルトをとにかく丁寧につくることが大切。結果が一番大事。そのキャンペーンが「社会合意」をつくれたら、賞は勝手についてくると思います。

※ちなみに、スパイクス→スパイス→カレー・・・という前段ではなかったのですが、私が一番好きなカレーは神保町の「欧風カレー ガヴィアル」です。

嶋野 裕介
電通 CDC コミュニケーション・プランナー/CMプランナー

1980年生まれ。東京大学卒業後、電通へ。マーケティング局、営業局、デジタル局、シンガポール勤務などを経て、転局試験でようやくクリエーティブ局へ。デジタル&PR を中心にした統合ディレクターとして「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS」「プリウス試乗味ガム」「同棲解消ホケン」「フリー素材アイドルMIKA+RIKA」などを制作。ヤングカンヌPR部門国内審査員、スパイクスPR部門審査員を務める。