購買データを使ったマーケティングへの限界感
塩谷:2015年までは、当社が導入している「Pontaカード」による購買データをベースにコミュニケーション戦略を練っていました。Pontaカードの提示率は顧客全体の約30%なので、そこをベースにするのが適切だと考えていたわけです。
そしてコミュニケーションを展開すべく、Pontaカードと連携したメルマガ会員組織「カーネルPontaクラブ」を設立しましたが、開始から2年経過しても顧客全体の数%までしか会員数が伸びませんでした。
これは顧客へのコミュニケーションを行う母数としては少なすぎるので、新しい方針へ舵を切る必要があると考えて、2016年から「デジタルCRMへ再設計」を行うことにしたのです。
これは、これまでバラバラだったCRMのプラットフォームを「カーネルクラブ」という統合IDで有機的に連携し、CRM対象者数の増加と打ち手を拡大する構想です(図2)。
その構想の中で、これまでご提供できていなかった会員とのコミュニケーションの場として「カーネルクラブコミュニティ」が誕生しました。
(図2)KFC提供
藤崎:それは大きな再設計ですね。
塩谷:はい。コミュニティサイトの目標は、コミュニケーションの活性化を通じて、「顧客時間」でいうところの、特に購買後の食べる「消費」段階の把握です。実はそこが設計できていなかったのです。
既存のプラットフォームの役目としては、クーポンやキャンペーンのお知らせを行い、買いに来てもらうことへの情報提供が大きいと思います。しかし本来は、購入後もデジタルを使って情報をシェアしてもらったり、購入商品のおいしさについて発言してもらったりできればベストです。
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