顧客中心は「古くて新しい」テーマ
「アドテック東京2017」のキーノートで、「カスタマー中心のデータマネジメント」について語っているスピーカーがいました。その人は、アメリカンアパレルの元チーフデジタルオフィサーで、Oro Analyticaを立ち上げたソリン・スティーブンス氏です。彼はプレゼンテーションで、ペンシルバニア大学のウォートン校のピーター・フェイダー教授の書籍『Customer Centricity (2011年出版 邦訳未出版)』を推奨していました。
彼自身が「すぐに読める本」と言っていたように、わずか110ページ。しかも、7年前に大学から出された出版物です。なぜ彼は最新のカンファレンスで、このような書籍を紹介したのでしょうか。
それは、「顧客中心」のビジネスを実現できている企業が未だに少なく、これが「古くて新しい」テーマだからだと思いました。
この本を自分も読んでみて実感したのは、フェイダー教授がただ単純に「顧客中心」という言葉をカスタマーサービスや顧客満足といった観点だけで語っていないということです。
彼は授業で、学生に対して「次にあげる企業の中で、顧客中心の企業はどこか」と尋ねたそうです。
問題 次の企業のうち顧客中心の企業はどれか?
1.ノードストローム(米国の小売業)
2.ウォルマート
3.アップル
4.コストコ
5.スターバックス
生徒はアップルのようなファンに愛されているブランドはもちろん、カスタマイズコーヒーを“個客”に対応するフレンドリーな対応をするスターバックスを選びます。
または、低価格でニーズに合った商品を常に届けていることから、ウォルマートやコストコのような小売業だという人もいれば、伝説的なクレーム対応で有名なノードストロームを挙げたりするそうです。
しかし教授は、学生の予想に反して、このリストの企業のどれも「顧客中心」ではないと答えるのです。
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