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きれいごとでなく、人間の「デビルな一面」に目を向けよう

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デビルの心理を突いた成功事例

広告クリエイティブをそのような目で見ると、巧みにデビルの心理を突いた成功例が数多くあることがわかります。近年は、妻夫木聡さんの出演した「ロト6」のシリーズがその好例でしょう。あるいは、「やっちゃえ、日産」という言葉の表現もそのような心の琴線に触れます。歴代の名作を振り返っても、デビルインサイトに訴えるアプローチが見つかります。

そうしてデビルな心理を刺激しつつ、見終わった時には「そうだよね〜」と共感してもらったり「いやいや」とほろ苦い気持ちにさせたりする、それがアイデアというものでしょう。

人が目を背けたい一面に光を当てても、単に嫌な気持ちにさせるだけなら、世間の反感を買い炎上するだけです。そうさせずに人を喜ばせるのが、つくり手の腕の見せ所です。

デビルな心は、もともと軽々しく話せないものです。それを口にするのは、あたかも自分自身の悪の心を人に見られるようで、気が引けるということもあるでしょう。だから、エンジェルなインサイトばかりに目を向けていれば、会議の席でもプレゼンテーションでもその場に波風が立つことはなく、仕事は無難に進むかもしれません。しかし、最終的にアウトプットされた時に何も成果がないのでは意味がありません。

インサイトを洞察する時、常にデビルの側面を意識すること。このような思考スタイルを持つことで、得られるアイデアは広がり、クオリティも格段に高まります。

「悪魔の力」を上手に活用すれば、もう一歩先の世界が開けるのです。

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