「越境」は、マインドを変える機会を与えてくれる
さて、今回でこの連載も最後になります。アドタイという、日本の広告クリエイティブのど真ん中のサイトに、あえて広告からの、そして日本からの「越境」をテーマにした連載をさせていただきました。度量の広い編集部の皆さんには非常に感謝しております。ありがとうございました!
また、広告クリエイティブど真ん中にいる読者の皆さんにとっては、多少奇異な連載に映ったかもしれません。アムステルダムの話をしながら、Wieden+Kennedy Amsterdam も180 AmsterdamもDroogも取り上げなかったのですから。
しかし、この連載で伝えたかったことは、はからずしもMattの言葉に表現されていたように思います。繰り返しになりますが、それは20年前に自分が広告に対して、憧れを感じていたものと同じ。つまり「広告には未来をデザインするという役割がある」ということです。例えば、私たち、広告クリエイターは、いま、少し先の未来を走るEVカーの開発などに、どれだけの関与ができているでしょうか?
これだけ変化の激しい時代ですから、当然その未来も変わってきます。もちろん未来をデザインするやり方だって変わって当然です。また以前と比べると、未来自体が見えづらくなっていることもあるかと思います。しかし日本に長いこと住んでいて、そして広告界で長いこと仕事をさせてもらっている身からすると、環境を変える、マインドを変えるという「越境」には大きなヒントがあると感じています。
もちろん「越境」は、そのための一つの手段、ヒントでしかありません。広告は嫌われ者で、完全にスルーされるもの、などと言われていますが、きっと皆さんは自分なりのやり方で「未来をデザインする」という広告の素晴らしい役割をさらに推し進め、そして広告の価値を高めていってくれることと思っています。
またもう一つ、この連載記事でも繰り返していましたが、強くお伝えしたいことがあります。それは日本の広告界、クリエイティブ界はものすごく優秀だということです。日本の広告界で20年近く働いてきた経験から、間違いなく言えます。本当にみなさんは優秀です。もちろん、言葉の問題などはあるかもしれませんが、それに臆することなく、ぜひ「越境」してみてください。必ず何かのきっかけを掴んだり、大きなヒントが得られるはずです。そして同時に世界のクリエイターが同じように、苦労したり、悩んだりしていることも感じることができると思います。
日本の優秀なクリエイターが世界へ「越境」しないことが、とてももどかしく感じています。もちろん必要であれば、そのためのお手伝いは、我々ニューロマジックが協力します。しかし、ぜひ自信を持って「越境」してみてください。必ず新しい可能性が見えてくるはずです。
「未来をデザインする」という広告の価値が、もっともっと高まると嬉しく思います。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。皆さん、アムステルダムでお待ちしております!
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