英国のクリスマス商戦、鍵となるのは…? — ロンドン街角レポート(1)

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私は、日本で広報などの業務を担当し、本年9月に渡英しました。マーケティングや広報の視点で全3回に渡り、ロンドンの街角の様子をレポートしていきます。
初回はクリスマスムードに沸く、街の風景をお伝えします。

クリスマスムードで盛り上がるロンドンの街。

英国で迎えた最初のクリスマスで、特に気になったのが、各種メディアを通じた大規模な宣伝広告でした。

英国人にとってクリスマスは一年で最高のショッピングシーズンです。どこの街でもデパートや大手アパレルが建ち並ぶハイストリートは11月初旬からセールで賑わい、行き交う人々は親しい友人や家族へ贈るプレゼント探しに余念がありません。そしてショッピングの戦利品は下旬から始まる各家庭でのクリスマスパーティーを盛り上げます。

ここ、ロンドンでも通りや、広場がイルミネーションで華やかに彩られ、各所でカウントダウンイベントが開かれ、特別な季節が演出されています。クリスマスの喜びに人々が心踊らせ、積極的に出費を楽しむこの季節は流通業界にとって、最高の掻き入れ時です。

ロンドンの高級デパート「ハロッズ」のショーウインドウもクリスマスムード満点。

大手デパートの今年のクリスマスCM

従来、路面店にとってクリスマス時期のブランドアピールといえば店舗ディスプレイが目玉でした。しかし、近年はオンラインショッピングの売上がクリスマス時期も大きな割合を占めるようになり、各社はSNSやテレビCMを通じたマーケティングに多くの予算をかけ、広告キャンペーンにしのぎを削るようになっています。
人種も宗教も多様な英国民に訴えかける印象的な広告を目指し、大手デパートやスーパーが制作する趣向を凝らした長編ドラマ仕立てのCMは、ここ数年世界の広告業界でも高い評価を受けるようになっています。そこで最近は、各社のCMが出揃う11月下旬には大手新聞メディアが各作品の比較・評価記事を起こすのが慣例となっています。

こうした長編ムービーコマーシャル制作の先駆けと言われ、例年、特に高評価を受けているのがデパート「ジョン・ルイス」です。CMの評価が売上に直結することを象徴するように、同社はクリスマス時期の売上をここ数年伸ばしています。2017年はモズ・ザ・モンスターという人気キャラクターをテーマにしたムービーを展開、店舗ディスプレイや各種プロモーションにも活用しています。

そのほかにも、ムービー広告のライバルに挙げられる大手スーパー「マークス&スペンサー」は日本でも人気で今冬シリーズ第2作目の映画が公開されるパディントンを主役に据えたムービーを展開しています。

ムービー1 (ジョン・ルイスクリスマス広告2017)

 

ムービー2 (マークス&スペンサークリスマス広告2017)

 

さらに、各スーパーや大手小売店もクリスマスをテーマにした魅力的なムービー広告を展開しています。主眼を置くのはもちろん、販促ですが、特別な季節の喜びを分かち合うことをテーマにした作品の数々は、見ていて純粋にクリスマス気分を楽しむことのできるエンタテインメントとして、毎年注目を集めています。

その他例;
ムービー3 (ヒースロー空港 クリスマス広告)

 

ムービー4 (バブアー(服飾) クリスマス広告)

 

ムービー5 (ブーツ(薬局) クリスマス広告)

 

小西純子氏

神奈川県鎌倉市生まれ。英国ウエールズ大学アベリストウィス校にて美術史の学士号、同国マンチェスター大学にてアートギャラリー&博物館学の修士号を取得。日本帰国後、都内外資系ホテルにて11年勤務、総支配人秘書を経て広報を担当。館内での音楽やアートイベントの仕掛け、ホテル滞在経験、レストランでのダイニングエクスペリエンスに特化したプロモーションなどに携わる。趣味は音楽と美術。

 

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