「知ってるつもり」で終わらせない! ワクワクする体験でプロダクトの価値を伝える―アサヒグループ食品、シャープ、Knotの挑戦

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人口減少は死活問題でも、高齢社会にビジネスチャンスあり

アサヒグループ食品 食品マーケティング部 部長 林 和弘氏

「JAPAN CMO CLUB」の研究会では毎回、多くのマーケターが直面する課題として「人口減少」について議論している。この課題に対して、食品を扱うアサヒグループでは「人口減少」に関して、社内でも死活問題として捉えられていると話す。

とはいえ「少子高齢化の少子化はデメリットだが、高齢化はチャンスがあるのではないか」と林氏は考えているもという。

「販売数量は減っても、より質の高いものが求められていて、高付加価値の方向にいくのではないかと思っています。生産量が減ることにより、コスト増にならないような柔軟な仕組みを備えていかなければいけないな、というのがメーカーとしての課題です」(林氏)。

一方で、メイド・イン・ジャパンの時計を1万円台からカスタムオーダーで提供するKnotの遠藤氏は「インバウンド需要が非常に高く、国内の人口減少はあまり問題視していない。日本の時計市場は3期連続で成長している」と説明した。

「スマートフォンで時間を確認する人が増え、腕時計離れとも言われているが、グローバル展開、インバウンドを視野に入れた展開をしているので、あまり問題は感じていません。ただ国内のマーケットにおいては、時計の魅力を再び理解してもらう発信も必要と考えています」(遠藤氏)。

そこで遠藤氏が重視しているのが、商品の背後にあるストーリーだ。メイド・イン・ジャパンをうたい、職人とのストーリーを大切にしながら腕時計の製造・販売を行う遠藤氏は「ライセンスウォッチから抜け出して、ものづくりの背景や生産者のストーリーが見えるブランドにならないといけない。これからはそういう差別化が求められ、安心、安全が問われるように変わっていくと思います」と自信を見せた。

商品認知のその先へ、ワクワクする商品体験の場をつくる

商品の背後にあるストーリー、またその商品をつくる企業自体の人格も伝わるようなコミュニケーションこそが、コモディティ時代を生き抜く企業に必要な視点ではないか。その中で研究会の議論のテーマは「体験」の価値に移っていった。

顧客体験について、「リアルな接触ポイントを自社で持つことが大事」とは林氏の意見。アサヒグループ食品の「ミンティア」の場合、店頭で名前入れシールを制作するイベントを全国約150カ所で開催しているそうだ。

「我々が、想像した以上に盛況で、お孫さんをつれたおじいちゃん、おばあちゃんが来てくれたり、今まであまりリーチできなかった人たちに試していただけています」(林氏)。

シャープ IoT通信事業本部 コミュニケーションロボット事業統轄部 市場開拓部 部長 景井美帆氏

「ロボホン」も“エバンジェリスト”のような役割を担うオーナーが全国各地でリアル体験イベントを開催している。「20~30名ほどが集まって情報交換をしたり、ロボホンの自慢をしたり。プロモーション関連では少し、私どもの手を離れ始めているところが良いところではないかな、と思います」(景井氏)。

議論から見えてきたのは、商品認知に留まらず、実際に体験してもらう機会をつくることの重要性だ。「知ったつもり」の一歩先、ワクワクするような商品体験の場の設計がマーケターにとって、課題となっているようだ。

次ページ 「マーケターは、一人の中の多様性に向き合うべき」へ続く

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