成長を続ける企業では、そうしたスキルの向上にどのように取り組んでいるのか。
講座のレポートが今では社内のバイブルに
広報ツールの企画・制作を手がける太平社。印刷物制作を中心にスタートし、現在はWebや動画までクライアントの課題に応じて事業を拡大している。
同社では依頼を受けると、ディレクターがそれぞれ担当につき、制作を進めていく。出版部に所属する鶴直治さんは、「案件によって制作するものや、内容が大きく違ってきます。そうした中で、ディレクションのスキルが個人で形成され、共有されていないことが課題でした」と話す。会社として制作のクオリティを一定レベル以上に担保するため、スキルの平準化に取りかかる必要があったという。
自身もディレクションについて学んだ経験があるわけではない鶴さんは、一度活躍する人のディレクションを直接学ぶ機会を得ようと、宣伝会議のクリエイティブディレクション講座への参加を会社に申請した。
「講座の中で特に印象的だったのは、クライアント側でディレクションする立場にある講師の方からのお話です。提案が通らない時に、自分が想定していなかったところで止まっているんだという気づきがありました」と鶴さん。
いまは、クライアントの担当者と企画を考え、社内の承認をもらうまで一緒に取り組んでいる。
さらに講座で得たノウハウや気づきを社内にフィードバックし、ディレクター陣のスキルアップが図れるよう、報告用のレポートを冊子で制作。自らもコンペに臨む際などにはその冊子を振り返り、各回の講師が話した内容や視点を活用している。
「講座を通じて、基本の型をつくりながら、一方でその型にとらわれすぎない柔軟な姿勢が重要だと知りました。これからはクライアントから伝えられた要望にさらに一歩踏み込んだ提案をしていきたいです」と語った。
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