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#SXSW2018 デザイン、コンテンツマーケの視点で注目のセッションをレポート(本間 充)

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■「Design for Confrontation, Design for Growth」

こちらも非常にSXSWらしいセッションのひとつです。SXSWのセッションの多くは、日本のマーケティングのカンファレンスでも多い形式のパネルディスカッションなのですが、これは一人が話をする形式でした。このセッションでは、AirbnbのSteve Selzer氏が講演を行いました。

内容はデザイナーとして心がけないといけない内容についです。Confrontationとは「直面」とでも訳せるでしょうか。デザイナーとして、成長するのであれば、様々な対象に「直面」することが必要だとSteve氏が説明しました。

例えば、Airbnbのユーザー登録画面の前には、Airbnbのポリシーを説明する画面を表示しているそうです。ユーザー登録からすると障害ですが、Airbnbの理解を促進するためには、必要なことと考えデザインしたそうです。

こうしたデザインに対する考え方は社内でも徹底しています。Airbnbでは「Real Talk」という社員が本音で語り合う時間があるそうです。そこでは、考えていることを素直に話すようにしており、その途中でコーヒーすら飲んではいけないというルールもあるそうです。Steve氏自身も、自分が今まで避けていたような「ボクシング」のジムに通ったりして、自分の居心地の良くない「時間・空間」にあえて挑戦しているというエピソードも語られました。

確かに、Web空間のデザインでは、お客さまが使いやすいデザインを中心に考えることが主流です。しかし、相手の深い理解ができれば、もっと相手と理解しあえるデザインをすることも可能なのかもと、深く考えさせられるセッションでした。

■「A Conversation with Ethan Hawke」

Filmのトークセッション。

SXSWの大きな特徴として、Interactive部門の他に、「Music」「Film」の部門があることがあげられます。そして、私はInteractiveのパスで参加していたのですが、「Film」のセッションの席に空きがあれば、参加できるので、イーサン・ホークの話を聴きに参加しました。

このセッションは、インタビュー形式で行われ、主題は俳優だったイーサン・ホークが、なぜ演出や脚本を書くことに、仕事を変化させたのかその理由を聞くことになっていました。しかし、以外にも答えは、「仕事は変化させていない」という答えでした。映画に関わり続けている。その中の役割が変わっただけである。その役割の変化は、その時、その時に、自分にアドバイスをくれた人の影響だと語っています。

Filmのセッションなので、もっと映画の知識ないといけないのかと思ったのですが、内容は自分のキャリア形成の話の参考にもなります。SXSW Interactiveのディレクターのヒュー・フォレスターさんが、以前に「SXSWでは、普段聞かない、自分の専門以外のセッションにも参加してほしい」と話していました。そう話していた理由がわかるセッションの参加になりました。

ここまで、主に私たちが参加したセッションの概要になります。
SXSWには実に多くのセッションがあり、必ず私たちのヒントがあります。そして参加することで「感じる」ことは、本当に重要です。日本のマーケティングで、「顧客体験」が大切と考えているマーケターの方は、是非とも自分からSXSWのセッションで顧客体験を行なってみることをお勧めします。

イーサン・ホーク。