【前回】「マーケティングの「4P」って、本当に実務で使ったことありますか?」はこちら
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では、今日のマーケティング組織の実務により即した、新しいフレームワークである「マーケティングの4D」というプロセス分解ツールを紹介しました。今回は、この「4D」についてさらに詳しく説明をしていきたいと思います。
4Dは「Define」「Draw」「Deliver」「Distill」から構成されます。ひとつずつ、その考え方を説明していきます。
1. Define:
価値の定義では、商品のSTP(Segmentaion , Targeting , Positioning)を定義して、USP(Unique Selling Proposition:競合他社の商品に対して自社商品のユニークな点)を明確にします。研究開発部門とマーケティング部門の協働で行われたり、企業によっては商品企画部門が独立して存在しこれを担います。マーケティングの「4P」におけるProductから、よりマーケティングの関与が深い「商品コンセプト」を切り出したイメージです。
2. Draw:
価値の実現・周知では、1.で定義した価値を実際につくり出し、周知します(=「描き出す」)。機能的な価値はR&Dや生産部門の技術力により実現されますが、情緒的な価値は主にマーケティング活動により実現され、マーケティングコミュニケーション部門が主な担い手となります。広告宣伝は価値を伝える場面であると同時に、情緒的な価値を作り出す役割も担っており、価値の周知と価値の実現はマーケティングプロセスにおいて不可分です。一言で言うと「ブランディング」になりますが、その意味と境界がより明確に定義されています。
