【前回コラム】「「リベンジ成人式」は善意ではなく、新サービスの広告だった!?(ゲスト:キングコング西野亮廣)【前編】」はこちら
今回の登場人物紹介
※本記事は2月8日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
レターポットをなぜ換金できない仕様にしたのか?
権八:前回説明してもらった西野くんがつくったレターポット、まだちょっとピンと来ない人が多いと思いますが、たとえば最近、レターポットで支払える美容室が現れたと聞きました。これはどういうことなの?
西野:簡単に言ったら、「ありがとうございます」で1回髪を切ってもらえるということです。それが300レターだったらもう少し長いこと、「ありがとうございます、本当に今日はうれしかったです」とやらなければいけないですけど、その文字さえ送れば、そのサービスが受けられるということです。
権八:つまり、店に行って、日本円を払わなくて、レターをその店に送ればいいと。
西野:そうです。レターポットと仮装通貨の大きな違いは何かというと、法定通貨、つまり国が預かっている日本円と換金できないんですよ。権八さんが100万レターあったところで、これを1レター5円だから500万円に換金できないんです。ただ100万レターあるだけなんです。換金できないというのは大きいかもしれないですね。
中村:そこをちょっと聞きたかったんです。僕もVALUという似たようなサービスをやってるので調べてるんですけど、たぶんレターポットが近いのは企業ポイントで、ANAのマイルをもっているのと同じようなことだと考えていて。
西野:ポイントは近いですね。
中村:ANAのマイルやTポイントのポイントを使って髪を切るという行為に近いかなと。使うときに全部文字を通じてやり取りするのがルールだから、せっかくだから300文字書いてくれたらそのぶんのレターで髪切ってあげるよ、ということですよね。
西野:そうですね。今はTポイントをもらって、誰かに送ることはできなくて、自分で使わないといけないんですけど、それを誰かに送ることができるということですね。
中村:本来だったら美容師が「5,000円で髪を切りますよ」と言ってるところを、何百、何千レターで切りますと言った瞬間に相対価値が生まれるじゃないですか。それが仮に1,000レターだとしたら、1レター5円だからだいたい5,000円と。だから可逆的、逆算的に1レターが5円であるとも言える、ということですよね。
西野:そうです。
中村:今回、西野さんがやったアプローチはとりあえず1レター5円と先に決めたので、だいたいそれに近しい価値でみんながインセンティブを付け出すほど、貨幣に近くなるということだと思うんです。
ちなみにビットコインは初めゲームのコインだったんですよ。ゲームの中で使われているコインだったのが、初めにピザを宅配できるようになったと言われています。ピザ屋が「うちビットコインでいいよ」と手を挙げたんですね。当時は1,000ビットコインでピザを買えるぐらい価値が薄かったんですけど、誰かがはじめたところで、これは価値あるのかもと。西野さんが前回言ったように宗教的に信じたのがはじまりで、それが積もり積もっていった挙句、ビットコインが今のようになったんです。
澤本:レターポットは換金できないんですね。
中村:それはなんでそう決めたんですか?
西野:ゆくゆくは換金の必要がないからです。たとえば今だったら4万人の人が1レター5円の価値があると知ってます。紙幣もそうで、預り証にこれぐらいの価値があるとみんなが知ったら換金しなくなりましたよね。つまり、最終的にみんなが「価値がある」と知ったら換金しなくなるので、換金装置を出したとしても、しなくなると思うんです。1レター5円という価値を知ってるので、1,000レター送られたら5,000円ぐらいかと、みんなが知った瞬間に換金装置はいらなくなるなと。だから端から外しちゃおうと。
中村:なるほど。
西野:換金があることによってデメリットのほうが多いと思ったんです。まず送金扱いになっちゃうので、学校の先生が生徒からレターを送ってもらうって難しいんですよ。良い授業をしたとき、「レターは換金できない、通貨じゃない」と言っているので、「先生ありがとう」と文字を送ることができます。
でも、これが換金できるとなると、生徒が公務員の先生に千円を振り込んでいる状態になっちゃうので、学校はまず認めないだろうと。それと給料を管理されているタレントさんはレターはすぐ換金できるとなると、投げ銭になってしまって、それやったら事務所いらないじゃん、という話になってくるので、事務所は使うなと言うだろうなと。だから、換金のほうが意外とブレーキがかかるなと思いました。
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