長年活躍を続ける理由は「バランス感覚」?
権八:これは論争じゃないけど、僕も澤本さんが言っている派というか。結局、自分を突き詰めるというか、自分が面白いと思うところをどんどん突き詰めていかないと、世の中が面白がるものに到達できないと思ってるんですね。
山崎隆明さんもよくそういうこと言うじゃないですか。でも、さっきの福里さんは逆のこと言うんですよ。僕らのよく知ってる佐々木宏さんというボスがいるんですけど、そのボスから「お前が面白いと思ってるものなんてどうでもいいんだ。世の中が面白いと思うものをつくれ」と、ケチョンケチョンにダメ出しされて、そこで開眼したと。だから人それぞれで。
澤本:そうですね。佐々木さんが言ってることはわかって、僕も似たようなことを言われるんですよ。でも僕が世の中との折り合いをつけるのは、タレントさんだったりして。僕はものすごいマイナーなものが好きなので、自分が本当に好きなものの企画をすると、そんなに大きく目立たないでいい、ちょっとクスッとするぐらいでいい、キャスティングとしては有名タレントを使わないでもいいとなるんです。それこそ、お二人の友達の芸人、シューレス・ジョーでいいと。
五明:シューレス・ジョーでいいって、シューレス・ジョーに謝ってください(笑)。
澤本:すみません(笑)。
権八:ビラビラムーチョもね。
遠山:ダンビラムーチョな!
澤本:「シューレス・ジョーとダンビラムーチョのコンテを書きました、これでお願いします」と言ったら、怒られますよ。内容はいいから、嵐の二宮くんと松潤でやってくれと。でも、僕的にはもっとマイナーなものにしたかったから、「え、そんな嵐2人使っていいんですか」となる。「いや、そうじゃないと世の中が全くこれを受け入れないから」と。
それで実際にやると当たるんですよ。だから僕が本当に好きなものをやると、知らない2人がベラベラしゃべってるものになっちゃって、内容が面白くてもみんなそこにまず向かないじゃない。
五明:シューレスなんか見ないですもんね。
澤本:ごめん、僕は具体的には言わないけど(笑)。
遠山:大きく頷いたじゃないですか、即座に。
澤本:そこが世の中の接点というのは、仮にマイナーなことをやりかったら、メジャーな記号を企画の中に入れないとダメだよ、ということは言われてるね。
五明:それでバランスを取るというか。
澤本:僕は撮らされることが嫌だったんだけど、結果、僕が今まで持ってたのはそういうことでバランスを取れた結果だろうなと思いますね。
遠山:難しいですね。その都度に合わせるということでもないですもんね。どっちかで貫くほうがいいのかな。難しいな。
五明:シューレスで貫くか。
遠山:ダンビラムーチョで貫くか。
五明:貫けねーよ(笑)。
<END>
構成・文:廣田喜昭
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