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「なぜ投稿されるか」にヒントがある。森永乳業がソーシャルリスニングを活用する理由

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SNS上の投稿や会話から、自社商品の動向やトレンドを把握し、ブランドコミュニケーションの改善に活かす「ソーシャルリスニング」が重視されている。森永乳業では、ソーシャルリスニングプラットフォーム「Crimson Hexagon ForSight™ Platform(クリムゾンヘキサゴン・フォーサイト・プラットフォーム)」を導入し、自社内でSNSの声を分析できる基盤を整えてきた。取り組みの背景や、企業自らソーシャルリスニングを行う際の課題について聞いた。

顧客の「生の声」を 
無視はできない時代に

写真左から ブレインパッドデジタルソリューション統括部営業部 松井智雄氏 、 同社デジタルソリューション統括部 プロモーションマネジャー 和田磨美氏 、森永乳業 マーケティングコミュニケーション部 マネージャー 山西啓代氏 、 ブレインパッド デジタルソリューション統括部 プロダクトマネジャー 福江孝史氏。

山西:森永乳業が販売しているのは、ヨーグルト、アイスクリーム、飲料など生活者に身近な商品であり、新商品発売やキャンペーン時に「SNSに投稿されやすい」特徴があります。これまでもスポット的にSNSの分析を外注して行ってきたのですが、海外の食品メーカーの取り組みなどを目にしたことで「自社内でお客さまの“生の反応”やトレンドをいつでもスピーディーに捉えていく必要がある」と実感。SNSの声を分析できる基盤を整えることになりました。

松井:SNS全体のユーザー数が増えた今、企業にとってSNSは「生活者の忌憚ない意見が聞けるメディア」となっています。モニター調査やアンケートの場合、なかなか本音が聞き出せず、また回答までにタイムラグがある。

SNS上では、商品やパッケージ、CMのクリエイティブなど、さまざまな観点で、リアルタイムの感想や評価が飛び交っています。さらに近年は“定性的なコメントのひとつ”ではなく、SNSの声を“データ”の形に変換し、ブランド評価の要因を細分化したり構造化したりして、企業活動に活用したいというニーズが高まっていますね。

山西:SNSの投稿には、今後のブランドコミュニケーションを考えるさまざまなヒントが複合的に潜在しています。

たとえばアイスクリームなどの嗜好品の場合は「いつ」「誰と」「どんなシーンで」「どんな気分で」食べているのか。機能性食品の場合は「もともとのお悩み」「効果実感」「味覚評価」など。

顧客自身が発信することが当たり前の時代で、SNSに溢れる本音を企業側も無視できなくなっていると思います。

森永乳業でも各ブランドの、新商品ローンチやキャンペーンに合わせてSNSの声を自分で分析できる環境が必要だと考え、2016年にツールの導入を行いました。

データ量の制限がネックに 
ツール導入にはさまざまな課題も

山西:実はもともと導入していたのは、他のソーシャルリスニングツールだったのですが、活用していくうちにいくつか課題を感じ始めました。ひとつは、ユーザー数やデータ量の制限があること。あらかじめ設定したキーワードに対し、取得できるデータ量にも上限があると「競合商品や市場トレンドを調べてみよう」といった気軽な使い方はできませんでした。もうひとつは、Instagramに未対応だったこと。

Instagram上で商品パッケージが多く投稿されていたので、そのデータ分析ができないかと考えていました。そこでお勧めいただいたのが、ブレインパッドさんの「Crimson Hexagon」。

ユーザー数の制限やデータ量の制限がなく、Twitterの2010年7月以降の全データにアクセスできること、Instagramに対応していることなど、社内で活用するにあたり課題に感じていたポイントを、機能面で補っていたのが魅力的でした。

松井:国内のソーシャルリスニングツールは取得できるデータの上限があるケースが多く、投稿数が爆発する企画を行うと、すぐに取得できるデータ量の上限を迎えてしまいます。単一のキャンペーンの効果だけでなく、「トレンド」「時間軸での変化」「競合他社の商品」など、さまざまなデータを取得することで、自社のブランドの俯瞰的な評価や改善につなげたいというニーズがあると感じていたので、「CrimsonHexagon」はデータ量の制限を設けていません。他社を含めたマーケット全体の投稿数を確認し、そのうち自社商品の投稿が何割、といった形でも分析していただきたいと思っています。

機械学習を用いた分類法で
キーとなる分析軸の発見も可能

山西:もうひとつ特徴的なのが、データの「カテゴリー分類」。これまでは、SNS上の投稿を「目視で」分類し、それぞれのボリューム感を大まかに掴んでレポートを作成していました。

「Crimson Hexagon」の場合は、人がカテゴリーを作成し、実際の投稿をサンプル(教師データ)として、ツールに教えると、残りの投稿データを自動で集計してくれます。実際、社内のマーケターからは「ポジティブな声、ネガティブな声がどれくらいあるのか」「その要因は何か」といった深い情報が知りたいという声もあがっています。

でも、SNS上のデータを目視で分類していくのは、線引きが難しいことも多々あるんですよね。

福江:「Crimson Hexagon」は機械学習のアルゴリズムを使用しているため、検索したキーワードに対してどういったカテゴリーの声が多いのか、自動的にトピックを分類して集計できます。

たとえば商品やキャンペーンの名称で検索をすると、投稿されている内容が「CM」についてなのか、「味」についてなのか、「健康」などのキーワードなのか、加えて、それぞれどれくらいのボリュームがあるのかといったことが瞬時に分かるんです。もともと設定したKPIに沿った分析だけではなく、全体の投稿からキーになる分析軸を発見することも可能です。

松井:従来のアンケートが「設問と答え」をあらかじめ設定しておくのに対して、SNSの分析は真逆のアプローチ。全体の投稿から、担当者が知りたい要素の動向を調べたり、今後のアクションにつながる区分を導いたりできます。

山西:これを従来のリサーチと組み合わせることで、より深く顧客を理解し、次のプロモーションのアイデアにもつながると考えています。今後はSNSの投稿と売上の関連性も見つつ、ますます活用していきたいですね。



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