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「BOVA2019」動画制作に役立つポイントと演出のメソッドを解説

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ブレーン主催のオンライン動画コンテスト「BOVA2019」の締め切りがいよいよ2019年1月23日に迫る中、動画づくりのメソッドを紹介する特別セミナー「BOVA2019」が、12月10日に開催された。同セミナーでは、第1部を「動画作りの基礎〜シナリオと演出のメソッド」、第2部を「ワークショップ 実際の課題でミニワーク&課題」で構成。講師にはフレイ・スリー プロデューサーの前田考歩さんが登壇し、「過去受賞者もここから生まれた!初心者でも動画を作れるようになるには?」というテーマで講演とワークショップを行った。

登壇:フレイ・スリー プロデューサーの前田考歩さん

動画制作を成功に導くためのメソッドとは

私は、テレビCMの制作に40年近く携わるピラミッドフィルムが母体になったフレイ・スリーという会社に在籍しています。フレイ・スリーはテレビCMに始まり、ビジネスで活用する動画の制作用アプリなどを提供しています。その中で、私自身は動画コンテンツの作り方に関するワークショップを担当することが多く、外国人YouTuberの目線に立った地域の魅力発信のコツやWeb動画とテレビCMをどう差別化するなど、映像に関するさまざまなプロジェクトの支援をしています。

今日は、Web動画がテレビCMのようにハイエンドなものである必要はなく、面白い映像を撮る手法はたくさんあるということを皆さんにお伝えできたらと考えています。

まず企画を作る時には、「3つのM」(メッセージ・メディア・メソッド)を意識してみてください。メッセージは、クライアントの伝えたい内容や解決したいテーマ、メディアは映像を載せる媒体、メッセージとメディアの間をつなぐ方法がメソッドです。

BOVAに応募する皆さんは、メソッドを重視していただきたいと思います。メソッドには「情報を際立たせるメソッド」と「情報を伝えるためのメソッド」の2種類がありますが、今回は活用しやすい「情報を伝えるためのメソッド」に重点を置いてお話できればと思います。

まず、「情報を伝えるためのメソッド」です。昔話などにもよく用いられる「行って帰る」フレームが代表的で、マイナスな日常から非日常(非常事態)に遭遇し、最終的にプラスに転じるという流れが常套的によく用いられています。

第2回BOVAグランプリ受賞作品 ニューバランスジャパン「tilt」(荒川大)の作品がこのフレームでできているので、ご覧ください。


これは冴えないサラリーマンが自分をとりまく世界が傾斜していくという非日常の空間に襲われるが、ニューバランスの靴を履くことで軽快に走ることができるようになって元の世界に帰還するという構成になっています。このように企業のソリューションには、何らかの課題解決が根底にあるため、このパターンが最適であるケースが多いのです。

ちなみに、「情報を際立たせるメソッド」には、商品の機能を誇大に表現した「誇張」やサービス内容や現象を人間に例える「擬人化」、動画をスキップされないように商品の存在をギリギリの所まで隠す「隠匿」、語り手・立場・主題などを置き合える「置換」、商品の機能性や特徴を比べる「比較」、1つの商品にまつわるソリューションや使用法などを紹介していく「収集」などがあります。

「BOVA2019」課題で考える動画の企画づくりに挑戦

第2部は実際にBOVAの課題の企画にチャレンジしてもらいます。課題①は「『乗り換え案内』アプリをつかった『便利でスマートなライフスタイル』が伝わる動画」(ジョルダン)。課題②は「『移動』『モビリティ』を通して人を笑顔にする動画」(デンソー)。課題③は「寝るのが楽しみになる動画」(マニフレックス)です。

手始めに動画で扱う情報を決めるために、「要素・機能・属性」と性質別に情報を分解していきます。要素は、商品を構成する部品や成分、パーツ。機能はソリューションをつかって得られる効果やベネフィット。属性はユーザーやメーカー、カラーなどです。次にどこを際立たせるかを決めて「行って帰る」メソッドの型の中にあてはめてみましょう。一枚のシートに整理してください。深く考えずに思いついたものをどんどん書き込んでみましょう。

ワークシート

ワークシートに沿って動画の企画を考える参加者たち。たった数分の間にも意外性のあるアイデアが出された。

企画→ブラッシュアップをどれだけできるか

最後に昨年の受賞作品の中から学生部門賞のファイナリストに選ばれた高校3年の金重黎さんにお話しを伺います。

金さん:BOVA2018でお題に選んだのは「出光興産」。人にエネルギーを与える動画を作るというテーマです。どうすることが人々にエネルギーを与えることになるのかと考えた時に、日常のなにげないしぐさや感動などで消費するカロリーを可視化してみてはどうだろうと思いつき、学校の物理の先生に計算式を作成してもらいました。

登場人物は私の身内、父の会社の人です。学校と父の会社、家の中だけで撮影し、費用は0円。約2週間で集中して作成しています。映像ソフトは「After Effects」と「Premiere Pro」で、父の一眼レフを初めて借りて動画を作りました。

BOVA2018でファイナリストに選出された金さんの作品「測定不能」

前田さん:自分なりにエネルギーの定義をし、「可視化」するという企画がとても秀逸ですね。皆さんも、企画を頭の中で考えたら、ビデオコンテを作成してラフな絵にしてみることが大事です。一発でいいものは絶対にできないので、いっぱい企画を出し、その中でいけると思ったらまずはビデオコンテを作る。その工程を何度も繰り返し、ブラッシュアップしていただくことをオススメします。皆さんの素敵な作品に出会えることを期待しています。

1月23日に締め切りが迫る、オンライン動画コンテスト「BOVA」の詳細はこちら