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コラム

野呂エイシロウ「テレビPRで、売り上げをつくる!」

嵐の活動休止、広報のプロが分析「自分たち流の会見を実行した、5人の意志と清々しさ」

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その5の意志
「嵐」は自分たちで決めてコントロールできる、という思い

今回の会見の主語は、リーダーの大野さんであり嵐のメンバー全員である。最初に大野さんが自分で決め、その後メンバーで決めてから所属事務所と相談した、というプロセスを会見でも述べていた。最初から最後まで、自分たちをコントロールしてきたという状態を通したことが伝わってきたのが印象的である。

嵐の活動停止は、マスコミに漏れることなく1年半以上も、その思いをメンバーと事務所で共有してきた。「今週の週刊誌にすっぱ抜かれたから、慌てて会見をした」というわけでもない。自分たちの意思で、この日を選び、自分たち流で会見に臨んだということなのだろう。

デビューの際、「嵐」というグループ名はきっと事務所の人が決めたことだろう。だが、嵐という名前を一旦「休止」させるのは、自分たちの意志。それが発言の節々やメンバーのやり取りの中から痛感させられた。

嵐のように速報が出て、自分たち流の会見を実行した

本当に清々しい会見だったというのが、筆者の感想だ。この清々しさは、嵐の意志が一貫して筋が通っていたからなのだろう。

嵐の会見の前日、全豪オープンテニスで優勝した大坂なおみの会見でも清々しさを感じた。世界で活躍している選手らしく、日本の記者のどうでもよい質問を上手にかわしていた。そのコントロール感が見ていて気持ち良かった。

そして、嵐、大坂なおみ選手のどちらも「やりきった」という清々しさが表現されていた。

最後に、今回の嵐の会見で大きく感じたのは、演出が非常に少なかったということだ。シンプルな会見だった。

1月27日の午後、速報で活動休止について知ったとき、筆者も驚いたが、会見で5人の顔が見えたとき、なんとも言えない安心感が漂った。それは、発表からわずか数時間後の会見という嵐なりの戦略がそうさせたのだろう。

その名の通り、嵐のように速報が出て、自分たち流の会見を実行する。そんな”意志”を感じさせた。

これからこのような会見ができる芸能人や企業人も増えるだろう。僕らは、知らず知らずのうちに、こうすべきという会見の”べき”を意識するようになってしまっている。
それを排除し、発言者の意志によって行う会見が今後増えるのだろう。そんな予感を感じさせた会見であった。