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「広告の未来、広告界のサステナブル」を巡って議論 — 全広連富山大会開催

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全日本広告連盟(全広連)が主催する「第67回全日本広告連盟富山大会」が16日、富山市の富山市芸術文化ホールで開かれ、全国の広告会社や新聞社、放送局の幹部らが前回大会の1200名を上回る参加者が集まった。

大会は富山に伝わる民謡「こきりこ」の演舞で幕を開け、午前中には第13回全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞・地域クリエイティブ大賞の贈呈のほか、パネルディスカッションが行われた。

地域クリエイティブ大賞 最優秀賞を「南都家の一族」で受賞した南都銀行(奈良市)の中室和臣氏は壇上で「創業140周年の記念の年に、栄えある賞を受賞して大変嬉しく思います」と喜びを表した。

パネルディスカッションでは、「広告が直面する課題と広告の未来~広告界が“サステナブル”であるために~」と題して、パナソニック 竹安聡執行役員、日本テレビ放送網 小山章司営業局長、Twitter Japan 笹本裕社長、電通 佐藤雄介氏がパネラーを、コーディネーターを事業構想大学院学長/宣伝会議取締役の田中里沙が務めた。

デジタル化や5Gの登場による伝送手段の変革などが進み、広告界にも大きな変化を求められているなかで、日本テレビの小山氏は、テレビ広告費は基本的に伸びてきて、同じモデルでビジネスが継続してきたという前提が変化しているとし、「例えばTVerでの広告の見られ方は他のSNSとは異なり、その特性を生かした事業モデルを構築していく必要がある」と話した。

72時間という時間を意識することの重要性について議論もなされた。Twitterの笹本氏は、アメリカでのハインツ社や日本での令和への改元時のツイート事例をもとに「72時間以内に話題化していくことが重要になっている。そのためにもスピード感が必要」と説明。

電通の佐藤氏は、テレビCMを作るときでも、デジタルネイティブに届く、ツッコみたくなるコンテンツを作ることを意識しているとしたうえで、「超消費型社会と呼ばれる社会において、簡単に消費されない広告をつくっていきたい」と事例を交え語った。

パナソニックの竹安氏からも、アイデアを出して、企画をしてという段取りではなく「社内でも議論と企画を同時進行することが増えていると実感する」と企画の進め方もスピード感が求められると話題にあがった。

竹安氏が引用したパナソニック創業者・松下幸之助のことばを交え議論がなされるなど、「宣伝の使命、広告の役割の重要度は不変である」との認識を新たに、これからの広告界の持続可能性について盛り上がった。

午後からは、第7回全広連日本宣伝賞の贈賞式が行われ、JR九州会長 唐池恒二氏、ジャパネットたかた創業者 髙田明氏、博報堂DYホールディングス社長 戸田裕一氏らが表彰される。また、立川志の輔氏による記念公演も開催される。

なお、全広連大会は37協会の持ち回りで実施され、富山での開催は平成元年以来30年ぶり2回目。次年度は福島で開催される。