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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

やりたい仕事で笑って生きていく

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これまで編集者やライターを目指す人が学んできた、宣伝会議の編集・ライター養成講座。本コラムではその修了生に、講座を受講したきっかけ、講座を受講してから変わったこと、そしてこれから目指すものについて書いていただきます。今回は編集・ライター養成講座を卒業し、テレビ局の報道マンからライターへの道を歩み始めた廣瀬正樹さんです。

編集・ライター養成講座を卒業して、早2年が経つ。その間、ライターとして独立できたかと問われれば、答えは否だ。会社は昨年辞めたので、「独立した」と言えば言えるのだが、ライターという職だけで立つことはまだできていない。

前職ではテレビ局で報道マンとして働いていた。退職後はそのテレビ局から外注される映像仕事で糊口を凌ぎつつ、合間に細々と書く仕事を続けている。

生き方は人それぞれ

学生の頃から、「書く仕事」に憧れていた。新聞記者になりたくて、テレビ局に在職中も転職試験を受け続けた。何度も何度も。でも縁と実力がなかった。会社にも自分にも失望しながら、それでも活字の世界への憧れを捨てられずにいた。「会社が受け入れてくれないなら、自分でやってやる」。編集・ライター養成講座に通ったのは、そんな理由からだった。

講座に通った一番の収穫は、「いろんな生き方がある」と知れたことだ。受講生の中には、フリーランス、会社員、その中間のような人もいて、「書く仕事」への関わり方も実にさまざまだった。その多様性が、「もっと自由に楽しんで生きろ」と諭してくれた。「書く仕事=新聞記者」と思い込んでいた自分の視野の狭さに、自分で笑ってしまった。

テレビ局での取材経験が活きたのか、卒業制作では賞もいただけた。とても仕事と呼べる代物ではなかったが、会社では感じたことのない達成感があった。幸いWebメディアでお手伝いさせていただく機会も得て、自分の書いた記事が評判を得た。自分の目指すものに向かって、全力で生きている充実感…。「あ、こうやって生きてたい」と思った。

人生、意外と、なんとかなる

「甘いもんじゃない」「契約先を見つけてから」と自分に言い聞かせていたが、毎日会社の席に座り、同じ不満を抱き続けることに、もう耐え難くなっていた。正直、精神的に参ってもいた。だから退職願を提出したのは、ほとんど勢いだった。「フリーライターになって〇〇をする」という明確で立派な動機よりも、「会社に居続けることが苦しい」という、情けなくも正直な動機が強かった。遅くとも、自分の足で歩きたいと思った。「職」というより、「生き方」を選んだと思っている。

何の算段もないままに辞めてしまったが、この世に優しい人はいるもので、前職の会社からは映像の仕事を、知人からはWebでのライティングの仕事をいただいて、どうにかこうにかやれている。預金通帳の数字は増えることはないが、幸い大きく減ることもない。付きまとう「先行き不安」とも、お友達になれてきた。会社で日々不満を言い続けているよりはずっと健全で、活力ある日々を過ごせている。

“いい学校”“いい会社”を経て、安定路線一辺倒で生きてきた。「フリーになる」とは「野垂れ死ぬ」と同義語だと思い込んでいた哀れで小さな自分に言ってやりたい。人生、意外と、なんとかなる。それよりも、笑って生きないと、もったいない。


廣瀬正樹(ひろせ・まさき)

名古屋市生まれ、東京在住。ライター、カメラマン。テレビ局で報道記者、カメラマンとして勤務し、2018年独立。Yahoo!ニュース特集などで執筆。第33期「編集・ライター養成講座」修了生。

 

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講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。

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