戦略そのものが持つクリエイティビティを引き出すとき — カンヌライオンズ審査レポート 前編

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こんにちは。アクセンチュア インタラクティブの清水武穂です。私は、カンヌライオンズ2019で新設されたクリエイティブストラテジー部門の審査員を務めました。この連載では、コンサルティングファームの視点で、現地で感じ取ってきたことを、当時の熱量そのままで共有したいと思います。前編では部門の中身と、実際の受賞作品について紹介します。

窓もない部屋から見えた世界の潮流

顔も見たことのない実行委員とのメールのやりとりから始まり、ゴールデンウィークあたりからオンライン審査が始まった。そして現地での本審査における議論そのものは、自分が想像していた南仏のきらびやかな太陽と心地良い風のもとロゼワイン片手にパーティーをしながら外国人にインスパイアされてツイートをしてしまう「大人の夏休み、カンヌライオーンズ!」のイメージとは全く異なった。

実際は、終日窓もないエアコンが効いた密室で、ひとつひとつの作品を議論し合っていたのであり、まるで秘密結社の一員になったようなひとときであった。

ニース空港でピックアップされる。カンヌライオンズ開催前なので空港はガラガラ。

今回審査を担当したクリエイティブストラテジー部門は今年新設となった部門で、エントリー数は約850作品。10名いる審査員のうち、7名が有名広告代理店のCSO(最高戦略責任者)で構成され、3名はコンサルティングファームのメンバーであった。

この10人が、結果発表までの数日間、窓もない密室で一体何を議論したのか、そしてその議論の中で私が感じ取ったことを、この場で共有できればと思う。

※プレジャッジ(事前審査)から入賞作やグランプリ決定までの審査プロセスを知りたい方は、昨年クリエイティブデータ部門の審査員だった弊社望月の記事(その1その2その3)をオススメします。

密室での審査。審査後半はリラックスしてきた頃なので審査員同士で記念撮影など。

次ページ 「戦略こそクリエイティビティを持つもの」へ続く

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