日本企業にデジタル変革は必要なのか? — いま求められる真の企業変革

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世界最大のエクスペリエンスエージェンシーであるアクセンチュア インタラクティブ。顧客体験を起点とした企業変革をサポートする彼らは、いま日本の企業そしてマーケティング部門をどう見ているのか。小春満義氏、坂本佳子氏、清野壮達氏に聞く。

左)アクセンチュア インタラクティブ マネジング・ディレクター 清野壮達氏
国内の大手SIerを経て2008年にアクセンチュアに入社。IT戦略グループにて、IT戦略、ITガバナンス、ITコスト削減などテクノロジーコンサルティングに従事。
中)アクセンチュア インタラクティブ マネジング・ディレクター 小春満義氏
中小企業向けのERPシステムに携わった後、2008年にアクセンチュアに入社。IT戦略、アーキテクチャー、テクノロジーコンサルティングに従事。
右)アクセンチュア インタラクティブ マネジング・ディレクター 坂本佳子氏
新卒でアクセンチュアに入社。経営コンサルティング本部でCRMグループ、マーケティングに従事。小春氏、清野氏と共にアクセンチュアデジタル立ち上げメンバー。

古い商習慣にとらわれず ビジネスを再構築する

━生活者がデジタルシフトした時代、生活者と最前線で向き合うマーケティング部門の方たちは企業の変革の必要性を特に感じています。しかし、ややもするとデジタル変革という言葉が独り歩きしている印象を受けます。

小春:生活者のニーズや生活そのものの変化の速さに対応するには、従来のビジネスモデルでは通用しなくなりつつあります。古い商習慣にとらわれず新しいテクノロジー、考え方に基づいてビジネスを再構築することが必要とされていますが、昨今のデジタル変革の議論は、テクノロジーにフォーカスが当たりすぎていることに問題意識を持っています。デジタル時代に必要とされる企業変革の本質とは新しいテクノロジーを導入すれば解決するようなものではないのです。

━どのように自社を変革させていけばよいかを考える際、基点となるのは自分たちが生活者に対してどのような価値を提供すべき存在になるのか、だと思いますが。

小春:私は「価値を提供する」というより、企業としての「意思表示をする」と捉えた方が良いと考えています。「何を守り、何を支持するのか、あるいは何に反対するのか」。万人に好かれようとするのではなく、自らの意思を明確に打ち出すべき時代になっています。

例えば、2018年に米・スターバックスではスタッフの人種差別発言を受け、全米の約8000店舗を休業し、スタッフ向けの研修を行いました。この行動からは「スターバックスは人種差別に反対する」という明確な意思を感じます。生活者に対して提供しうる価値だけでなく、社会に対してどのようなスタンスで関わっていくのかも示す必要があるのです。

坂本:私は、こうした流れの背景に生活者自体の意識の変化も感じています。例えば、SDGsに対して関心を持つ生活者も増えていますが、社会課題に対する生活者の感度が高くなっているからこそ、企業も変わらざるをえないとも考えています。

「WISE PIVOT」で企業をアップデートする

━欧米の企業と比べると日本企業は、変革に後れを取っているように感じます。

小春:社内でもマーケティング担当の方は特に、生活者と日々接しているので、変わりゆくニーズに応えられるような企業変革が必要だと考えていると思います。しかし「組織が縦割りなので」とか「プロダクトアウト発想の会社なので」とか、部門の壁を越えた変革ができない点に閉塞感を感じているのではないでしょうか。

清野:デジタル変革は経営課題なので複数部門が関わる必要があります。やはり変革がうまくいっている企業を見ると、経営トップがしっかりとコミットしていますよね。

━アクセンチュア インタラクティブでは複数の足かせがある日本企業の変革をどのように支援しているのでしょうか。

清野:縦割りの壁がいまだに根強く残っている日本型の組織において、変革プロジェクトは組織横断的に進める必要があります。マーケティング部門が起点となって、横断的なプロジェクトを主導していくという方向性もあると思います。

その際、変革プロジェクトを立ち上げ・牽引するためのノウハウ・経験値が必要になりますが、変革に向けたアプローチ、意思決定プロセス・会議体の設計など、変革プロジェクトの企画・推進、効果検証までを一貫して私たちがお手伝いすることができます。

坂本:生活者を常に意識するマーケティング部門が感じている危機感を、部門に閉じたレベルでなく、本質的な解決につながるCEOアジェンダにまで持っていく支援もしています。

小春:トータルで言えば私たちがしていることとは「デジタル時代に合った企業にアップデートする」お手伝いです。デジタル領域に限った変革ではないのです。具体的には、私たちが提唱する「WISE PIVOT」という変革アプローチを使った提案をしています。

「WISE PIVOT」は「TRANSFORM THE CORE」「GROW THE CORE」「SCALETHE NEW」の3つの要素で構成されるもので、中核事業の変革を促すと同時に、新事業を拡大させるというアプローチで、その結果、中核事業がシナジーを起こし、時代に合った変革ができるというものです。実際、このプロセスは私たち自身の変革にも使われたものです。

かつてのアクセンチュアとは、全く異なるカルチャーを持ったアクセンチュア インタラクティブを新事業として立ち上げ、ここで生まれたカルチャーがアクセンチュア全体の変革を促したのです。

清野:アクセンチュアでは、昔から「シックスバブルズ」というフレームワークを有しています。企業変革には、「戦い方・価値」「ビジネスプロセス」「文化」「技術」「組織」「人材」の6つの変革要素があり、私たちはこれら6つのすべてをサポートできる機能と人材を擁しています。

━変革、新事業と言われても何から手を付けてよいかわからないという企業も多いのではないでしょうか。

清野:私たちは、まずその企業のDNAを抽出し、自社の存在価値を再定義することからお手伝いしています。その上で、今の時代に合った新たな戦い方をデザインしていきます。また、新事業開発に必要な資金が捻出できないという場合には、中核事業の業務効率化・コスト削減を同時に行うことで、投資の原資をつくるところからお手伝いすることも多いです。こうした変革に向けた総合力が揃っていることが、当社の強みと言えるでしょう。

坂本:言い換えると、変革に必要となる多様なタレントがすべて揃っている点がアクセンチュア インタラクティブの強み。プロジェクトに合わせてエクスペリエンスデザイナー、ブランドストラテジスト、マーケター、データサイエンティスト、コンテンツクリエイターなどの各プロフェッショナルが集まり、適切なチームを組んでいきます。

小春:多様な職能を持った人たちが同じチームで仕事をする、アクセンチュア インタラクティブの仕事のスタイルは、当初は自分たちにとっても難しいものでした。しかし、あえて職能別の組織にしないことで、プロジェクトの最初の段階から、多様な視座が入り、かつアイデアをすぐに具現化できるスピード感が生まれていると思います。

坂本:私たちが所属する、エクスペリエンスアーキテクトチームが、多様な人材をオーガナイズしながら適材適所に人材を配置していきます。マーケティングに限らず外から企業変革を支援してみたい方には、ぜひチャレンジしていただきたいですね。

 



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