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顧客の“痛点”の発見が、機能だけではないブランド価値づくりにつながる—イデアインターナショナル、日本コカ・コーラ、Peachの戦略

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出席者
イデアインターナショナル 取締役マーケティング&セールス本部長 星野智則氏
日本コカ・コーラ マーケティング本部 IMC バイスプレジデント 河合英栄氏
Peach コミュニケーション本部 カスタマーエクスペリエンス部長 野村昭良氏

写真左から、日本コカ・コーラ マーケティング本部 IMC バイスプレジデント 河合英栄氏、「JAPAN CMO CLUB」Founder 加藤希尊氏、Peach コミュニケーション本部 カスタマーエクスペリエンス部長 野村昭良氏、イデアインターナショナル 取締役マーケティング&セールス本部長 星野智則氏。

社内のアイデア会議では得られない気づきと刺激がある

9月12日、「JAPAN CMO CLUB」の26回目となる研究会が開催となり、イデアインターナショナル、日本コカ・コーラ、Peachの3社のマーケターが参加をした。

2019年11月で、設立5周年を迎える「JAPAN CMO CLUB」では、定期的にマーケターが集う研究会を実施してきた。参加するマーケターたちは、社内で常に戦略立案のアイデア会議をしてはいるが、他社のマーケターと課題を共有し、アイデアを発表し合う研究会では、社内では得られないような気づきと刺激が生まれる。

「JAPAN CMO CLUB」Founderの加藤希尊氏は、「CLUB内のコミュニケーションから生まれた気づきが具体化し、この5年の間に多様なブランド間のコラボレーションが実現している」と説明。さらに「6年目に突入する『JAPAN CMO CLUB』は、マーケターにとって役立つ知識を共有する場としてだけでなく、参加メンバーの積極的な参加を得ながら、CLUBが持つ資源を社会に提供し、マーケターの社会的価値を高めていきたいと考えている」と話した。

「JAPAN CMO CLUB」Founder 加藤希尊氏。最近のCLUBの活動として、加藤氏は一般社団法人渋谷未来デザインと立ち上げた「SHIBUYA MIYAGE LAB」の活動について紹介。今年6月、CLUBメンバー企業も参加をして実施した「新しい渋谷土産」をつくる社会実験を行った際の様子が説明された。

お客さまが“ときめく”店舗設計で、EC化の流れに対応する

3名のディスカッションは、まず各社の課題の共有からスタートした。

キッチン・インテリア用品ブランドの「BRUNO」をはじめ、トラベル雑貨やオーガニック化粧品など幅広い商品を企画・製造・販売するイデアインターナショナルの星野氏は、グローバルで購買チャネルのECシフト化が進み、リアル店舗が苦戦傾向にあることを課題のひとつとして挙げた。

同社は直営店、自社ECの他、小売店にも商品を卸しており、複数の販売チャネルを持っている。EC化の流れへの対応としては、リアル店舗とECの区分なく、顧客が購入しやすい導線確立を進めながら、リアル店舗での“ときめく”店舗販促やファンイベントの取り組みを強化することで、ファンの育成をしていきたいと考えているという。

「最近、ブランド戦略において“ときめく”という価値を大切にしている。“ときめき”はスペックを中心とする機能的な価値の訴求では生み出しづらい。商品と消費者の間に“ときめく出会い”が生まれるよう、インサイトに目を向けて情緒的な価値を発掘し、訴求していきたい」(星野氏)との声に対して、「具体的に、どのような商品から付加価値を訴求しているのか?」と野村氏から質問が挙がった。

星野氏は「直営店舗スタッフとの対話を重視しており、店頭での接客の中で、新しい価値訴求の仕方に気づくこともある」と話し、例えばクリップで取り付けることができるポータブルファンの商品を例に説明した。

「ポータブルファンは各社が販売している商品。その中で、当社のポータブルファンは何が違うのか?機能で言えば、クリップがついていること。ただ、それをそのまま訴求しても機能価値でしかない。そこで、お客さまのライフスタイルに着目し、『ベビーカーに取り付けると、涼しくて赤ちゃんが喜びますよ』と語ることで、お客さまに使用イメージを理解し、共感していただくことができた。これは店頭での接客から生まれたアイデア」(星野氏)。

イデアインターナショナル 取締役マーケティング&セールス本部長 星野智則氏。同社の「BRUNO」シリーズは、ギフト用としても非常に人気で、研究会に参加をしていた日本コカ・コーラの河合氏からは「デザイン性が魅力で、よくプレゼント用に購入している」との声もあがった。

次ページ 「移動した先での体験に、エアラインが提供する本質的な価値がある」へ続く

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