【前回】「想像と創造から生まれる顧客基点のバリューチェーン 「インターネット・マーケティングフォーラム大阪2019」講演レポート①」はこちら
ロイヤルカスタマーに最適
アプリの活用でコミュニケーションを深める
クラウドサービスによってインターネット環境があればどこでもiOS向け、Android向けのアプリが開発・運用できるサービスを提供するヤプリ。現在300社以上の企業公式アプリの裏側を支えている同社の執行役員である金子氏が、「新たな顧客体験を創造するアプリの活用と役割」と題して講演した。
現在では60~70代でも当たり前のように利用され、朝起きてから夜寝るまで手元にあるスマホを通して、どのように顧客体験をつくっていくのかが注目されている。PayPayのQRコード決済は、数週間で500億円ほどの経済効果があったように、従来までのインターネットを経由してのバーコード決済にはなかった利便性を提供できている。また、従来までは画像や動画の共有が主流だったInstagramのアプリからECへ集客、ライブコマースによる購入への動機付けなど、アプリの活用は多岐にわたる。
「利用者数はWebの方がまだ多いが、リピーターになればアプリの方が利用時間が圧倒的に長いというデータもあります。新規や見込み客はWebで獲得し、リピーターやロイヤルカスタマーにはアプリを提供することで、より深いコミュニケーションが可能になるでしょう」と金子氏。
プログラミングが不要で、簡単にアプリを更新可能。直感的なユーザーインターフェイスが特徴で、OSのアップデートなど全てクラウドで提供することによって常に最新のものを利用できるヤプリ。アプリのダウンロード施策から運用までトータルでサポート支援を行っている。
キャリアデータを収集した
より正確な位置情報を来店測定に活用
シナラシステムズジャパンの栃薮氏が、「関西における位置情報活用セミナー」と題して講演。4年ほど前から“位置情報戦国時代”と呼ばれるほど市場が活発化する状況にあって、競合もひしめき合っている。
その中で同社の強みは、キャリアのデータを収集できる点にある。「現状ではソフトバンクとワイモバイルの2500万端末のキャリアデータを収集することができ、将来的にキャリアを統合させた位置情報プラットフォームを目指しています」と栃薮氏。
キャリア情報とは、名前、性別、年齢、居住地、免許証で照合され、広告配信や来店計測のオーディエンス分析に生かすことができる。ユーザーが普段どのような行動をするかの位置情報を取得する方法は、Wi-Fiの検知データ、基地局の4GやLG回線のデータ、GPSデータの3種。Wi-Fiを設置してイベントで検知したユーザーが、何日後に再度店舗のWi-Fiで検知されたかを測定。イベントからの送客率、送客数をはかることができる。
「位置情報の活用はOOHとの連動も含めて、商業施設やレジャー施設などの来店計測に非常に有効です。今後の展開としては、Webデータ、マーケティングデータ、契約者情報を活用してコアのユーザーをセグメント。あらゆるデータとマッチングすることが可能なベンダーなので、テレビの視聴データやOOHのサーキュレーションデータ、車の位置情報データなどと組み合わせることで、オンとオフを最適化した情報を提供していきます」と栃薮氏は話した。
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