【前回コラム】「豊田社長がスピーチで見せた腕を広げるポーズ、アリ?ナシ?」はこちら
WHOによるグローバル・パンデミック宣言の後、様々な情報が飛びまくる米国。このような非常時だからこそ、ブランドの行動に“姿勢”を垣間見ることができる。それはブランドの“真髄”ともいえる。そのブランドが一流であり、グローバルな存在であるかどうか、見極めることができる機会だ。
NY州のクオモ知事は3月12日、新型コロナウイルスの拡散を防止するために、13日の午後から500人を超えるイベントの開催を禁止すると発表した。これを受け、ブロードウェーは4月12日まで全公演を中止。メトロポリタン美術館をはじめとした美術館・博物館も休館し、多くのコンサートやスポーツイベントも中止・延期となった。3月15日には、CDC(米疾病対策センター)が、50人以上の集会の中止や延期を勧告している。
もはやいられる場所は自宅だけ……
街中では、3月17日に開催予定だった年中行事「St.Patrick Day」のパレードが中止となり、Nike、Apple Store、パタゴニア、Urban Outfittersなどの店舗も臨時休業となった。飲食店でも、人気店のDaniel、Le Bernardine、Gramercy Tavern、Union Square Café、Par SeやJean Georgesなどがしばらく店を閉めると発表。16日午後には、市内すべてのレストラン、カフェ、バーはテイクアウトとデリバリのみが許可され、イートインはクローズとの法令が出た。
実は、飲食店の営業も、収容人数を通常の50%にするようにとのお達しが出ていたにもかかわらず、休日のbarがやたらと混んでいる模様がメディアでも取り上げられていた。ソーシャルディスタンスをとるようにすることが、ウイルスを蔓延させない最も重要な方法なのにもかかわらず、それが徹底できないとなれば、人が群れる場所を閉じ、人々がその行動をしなくなるよう手を下すしかなくなったということなのだろう。外出禁止令までは出ていないが、もはやいられる場所は自宅だけという図式が見えてくる。様々な人種と思考の人々が住むこの街ではこういう強硬手段も致し方ないとも言える。
