メルカリ初の大型カンファレンス 新型コロナの影響で3日前にオンラインに切り替え

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メルカリは2020年2月20日、虎ノ門ヒルズフォーラムで初めての事業戦略発表会「Mercari Conference 2020」を開催した。

2020年を「勝負の年」としている同社。「メルカリJP(日本事業)」「メルペイ」「メルカリUS(米国事業)」の3本柱の中核である日本事業について、代表取締役CEO 山田進太郎氏など3人の経営陣が、これまでの歩みと今後の展望を解説した。

(左から)カンファレンスに登壇したVP of Business Operationsの野辺一也氏、メルカリジャパンCEOの田面木宏尚氏、代表取締役CEO 山田進太郎氏。

ただ、残念なことに新型コロナウイルスの影響がカンファレンスにも及んだ。コーポレートPRチーム主導で前年の10月から準備をしていた大規模イベントだったが、直前に急きょオンライン(ライブ配信)をメインとした開催に切り替えた。

当時、企業がイベントの現地参加を中止する例はまだ少なく、メルカリのこの対応は先駆けとなった。その後2月26日に政府がイベントの自粛要請を発表したこともあり、現在は多くの企業がライブ配信に切り替えている。

パートナー企業の招待を中止

PRグループの鈴木綾香氏によると、同社では以前より危機管理広報マニュアルを用意していたが、感染症に特化したものはなかった。

そのため今回は、PRグループを中心にSlack上で全社の関係者を集めたプロジェクトチームを発足した。経営陣らが決めたグループの方針を前提に、広報活動を含む社内外のコミュニケーションについての具体的な対応策を考えた。

2月18日にはグループ方針として「新型コロナウイルスに対する対応方針」が発表された(19日から行使)。その中には、時差出勤や在宅勤務の一部導入とともに、「主催イベントの原則オンライン開催」という項目も盛り込まれた。これに先立ち、17日にはカンファレンスについても実施形態の変更を決断した。

会場の虎ノ門ヒルズフォーラム(東京・港)には、パートナー企業とメディアを招待する予定だったが、登壇者以外のパートナー企業の招待は中止。メディアに関しては、会場での写真や動画の撮影希望があったため、ライブ配信と現地参加を選択できるように案内した。

結果、オンラインでは約1000人(一般視聴者含む)が視聴。メディアは事前申込者のうち約7割が現地参加となった。「一般向けのオンライン配信を元々実施する予定だったので、追加機材が少なくて済んだことは幸いでした」と鈴木氏。

会場でも感染対策を徹底

こうした感染対策に配慮したイベントの実施は、取材するメディアにとっても異例の事態。PRグループでは、記者の感染を防ぎつつ取材ができるような仕組みづくりも整えた。

会場での撮影用に設置したメルカリポスト。ヤマト運輸を集荷パートナーとし、2020年夏から運用開始する。

まず来場した記者用に、会場内の感染予防対策を徹底。受付に手指消毒用アルコールポンプを設置し、運営スタッフはマスクを着用した。記者に対しても咳エチケットやマスク着用などの協力を仰ぎ、体調に不安のある人には現地参加を控えるように呼び掛けた。

その具体的な条件は「本人、またはその家族が、2週間以内に中国への渡航歴がある」「37.5度以上の発熱をしている、かつ呼吸器症状がある」「新型コロナウイルス患者と濃厚接触した可能性がある」などに設定した。

また、ハード面では会場と同様にオンライン参加の記者からも質問を受けることができる仕組みを整えた。一般公開のものとは別にメディア専用ライブ配信URLを準備し、そちらでは最後の質疑応答パートまで中継したのだ。

オンラインからの質問はGoogleフォームで受け付け。3人のPR担当がリアルタイムで質問を整理し、質疑応答タイムの後半に司会者が読み上げた。鈴木氏は「ライブ配信は多少の時間のズレが生じるからか、オンラインからの質問数は想定よりも少なかったです。その点はもう少し工夫の余地がありそうだと感じました」と振り返る。

カンファレンスの様子は、テレビや新聞、ウェブメディアなど多くのメディアで取り上げられた。ライブ配信を視聴した記者による記事化も数件あり、鈴木氏は「出張中など物理的に来場できない記者の方も視聴することができる仕組みがあることで、露出量を増やすことができたのでは」と分析する。

今後の課題については「テレビなど会場の画が必要なメディアには、写真や動画のオフィシャル素材を的確かつタイムリーに提供することも必要だと感じました」とも話した。

なお、「Mercari Conference 2020」のアーカイブは公式サイトで見ることができる。

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