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販促会議5月号にて、第12回 販促コンペの課題を発表しました。
皆さん、こんにちは。ジェイアール東日本企画の中里栄悠です。ここ数年、「販促会議企画コンペティション(販促コンペ)」の審査員を務めています。本コラムでは、毎年数え切れないほどの企画書を読んで感じたことをもとに、「いい企画のつくりかた」について、お話ししたいと思います。なお、ここでの「いい企画」とは、「販促コンペ」に勝つ企画という意味です。
さっそくですが、コンペではオリエン後の“初動”がとても重要ですよね。販促コンペでもいきなりアイデアを考えたいところですが、少し立ち止まって課題の背景について考えてみてはいかがでしょうか。なぜいまその企業から、その課題が出されたのか。その理解度で企画はずいぶん変わってくるはずです。
(課題を理解する上で)3C分析(顧客 Customer、競合 Competitor、自社 Companyの3つの分析から戦略を策定するフレームワーク)をするのもひとつの手です。また、その企業が過去にどんなプロモーションをしてきたのかも知っておくべきです。既に協賛企業が実施済の企画であってはなりませんし、協賛企業の傾向を知ることにもつながります。過去の事例を網羅的におさえることは難しいと思いますが、販促会議のバックナンバーを確認したり、Web検索をかけたりすることも有効です。
ターゲットはすでに設定されているケースが多いと思います。そのターゲットがいま、どんな価値観を持ち、課題となった商品やサービスに関して、どのようなインサイトを持っているのか考えてみましょう。それが企画の立脚点になり、しかも企画に説得力やオリジナリティを与えることにもなります。ターゲットについての情報がなければ、ターゲットに近い人に話を聞いてみると、思いもよらない発見があるかもしれません。
以上、割と真面目な下準備についてお話ししましたが、もちろんこのコンペで一番大切なのはアイデア。手前の部分をやりすぎると逆に身動きが取れなくなるので、ほどほどがいいと思います。
