目標を実現するためには“どのような状態になっているべきか”を定める
前田:今回、このプ譜を書いてみてどのような変化がありましたか?
山本:自分が「この仕事をしたい!」という目標に対して、今やっているお客様のメルマガ作成のサポートや、ユーザー様のインタビュー記事の作成など、個々のタスク・ルーティンワークをつなげていくことができました。目標と今の仕事のつながりがわかるので、今やっている仕事のモチベーションもアップしました。
前田:素晴らしいですね。とはいえ、なりたい未来の姿と、今の仕事の距離が遠い場合、なかなか目標と今の仕事を結びつけるのは難しいと思います。未来と現在の距離が遠すぎると、「わかっちゃいるけど、その一歩が踏み出せない」という人も多いです。山本さんが今の仕事となりたい姿を結び付けていく上で、どのような考え方をしたんでしょうか?
山本:プ譜には「中間目的」という、目標に対して自分やサービスの機能、仕様などが「どうあるべきか?」という状態を考える項目がありますよね?私が連携サービスのプロジェクトを成功させるために、自分自身がどうあるべきかを考えたとき、一例として「ユーザーがつまずくリアルなポイントを知っている(べき)」という中間目的を設定しました。このあるべき状態を実現するために、今やっている仕事を結び付けていきました。
前田:今やっている仕事を直接目標(勝利条件・獲得目標)に結びつけるのではなくて、目標の姿になるためには「自分がどうあるべきか?」「どんな状態になっているべきか?」を定義して、そこに今の仕事を結び付けていったということですね。
新規事業など、すべてをゼロから始めていくプロジェクトのプ譜の書き方は、獲得目標→勝利条件→中間目的→施策という書き方を推奨しているんですが、山本さんの場合は既に存在しているルーティンワークがあり、それを施策としてとらえると、獲得目標→勝利条件→施策→中間目的という順番で書いたということですね。
実行している仕事を目標に結びつけるための足場として、中間目的を創造したという流れだったということがわかりました。ちなみに、目標に向かうためには「こうあるべきだ」という、あるべき状態はマネージャーの方に指示されたんでしょうか?
山本:マネージャーには、このプロジェクトを進めるうえで、私がこれまでの顧客対応経験で得た知識を活かせると思うよというアドバイスはいただきましたが、あるべき状態を直接的に指示されることはありませんでした。ただ、そのようにして私を評価してくれた言葉が、あるべき状態を考えるヒントになりました。
前田:「あなたはこうあるべきだ」と指示されるのではなく、自分で「私はこうあるべきだ」と設定するのでは、取り組みに雲泥の差がありますね。
山本:このプ譜を書きあげたとき、勝利条件を達成したかっこいい自分がイメージできて、やる気が満ちました。今やっている仕事の意味がわかったし、後ろ倒しにしていた仕事をすぐにやろうと決意しました(笑)。
前田:人に早くやりなさいと言われるより、ずっといいですね!
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