メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

作家・浅生鴨「ずっとオマケの人生を生きている感じ」人生観が大きく変わった“交通事故”

share

※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。5月16日(土)の放送は、作家の浅生鴨(あそう・かも)さんが登場しました。

 

検索する前に必ずやること

浅生さんは、元NHK職員。2009年に開設されたNHK広報局のTwitter(@NHK_PR)で、NHK_PR1号としてツイートによる広報を担当し、企業アカウントの公式ツイートらしからぬ自然な会話や日常的なゆるいツイートが大きな話題に。2014年に退局し、以降は執筆活動を中心に活動しています。

今年1月に、著書『面白い!を生み出す妄想術 だから僕は、ググらない。』(大和出版)を発刊した浅生さんにとって、「妄想は“日常”なんですよね。ごはんを食べたり、呼吸したりするのとほぼ変わらない」と話します。

日常的に妄想するうえに、よくググる(Googleで検索すること)という浅生さん。ひとたび調べるとなると「徹底的に調べ尽くすところまで調べるタイプ」。ただし、「僕は検索する前に、まず1回“自分で考える”という作業を必ずやる。調べてそれで満足して、わかった気になるのが一番嫌だから」とこだわりを語ります。

自身の創作について、「どうせつくるなら、いままでに人が見たことのないモノをつくりたいという気持ちがどこかにあるんでしょうね。だから、1つや2つは“あれっ?”っていうちょっと変な要素が、ちゃんと紛れ込んでいることを心がけている」と言います。

小説をはじめ、自身が手がけるものは“妄想”からスタートしていることが多いそうですが、妄想をそのまま詰め込むのではなく「なにかとなにかを新しく組み合わせたり、使い方を別の視点で見たり、そういうやり方でモノをつくっている。完全にゼロから生み出すよりも、組み合わせを発見する感じ。仕事として世の中にモノを出したいときには、受け入れられないと意味がないので、そこの“さじ加減”は厳密に考えたほうがいい」と語りました。

事故に遭った日から“悟った”生き方に

自身の人生を大きく変えた出来事として挙げたのは、2002年に遭った交通事故。「心臓が止まるような状態で、救急車で病院に運ばれて。片足をほぼ切断し、破壊された内臓を取り……周りも“死んだ”と思ったほどだったのが、たまたま運良く生き返ったという感じなので、僕の人生観を大きく変えた」と振り返ります。

事故に遭った日を“自分の命日”と思うようになり、「いまは、死んだあとの暮らしをしているというか、ずっとオマケの人生を生きている感じなので、“欲”が本当になくなった。(人から)褒められたいという欲望もないし、物欲もあまりないし……全然欲のない、悟ったような生き方になっちゃった」と打ち明けます。さらには「なにかをやることより、“いかにモノを手放していくか”のほうが気持ち良くなった」とも。

そんな大事故のあと、NHKに入局したのも「そんなに深い理由はなくて、単に新聞で募集していたから入っただけなんです(苦笑)」と平然と言ってのけます。そんな自然体からか、NHK広報局Twitterでの浅生さんのつぶやきは、大きな反響を呼びました。

当時のツイートについて、「NHKって、どうしても堅くみられがちじゃないですか。真面目なことはいいことなので、それはそれで置いておきつつ、それこそEテレなどではいろいろな番組をつくっていますから、さまざまな側面を持っているということを、まずはちゃんと見せたいと思った」と意図を説明します。

自主出版した理由とは?

浅生さんは、新刊となる「雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ」を6月5日(金)に自主出版する予定です。なぜ、あえて自主出版するのかと言えば「自分で全部やってみたかったから」。

1冊の本を手がけるうえで、読者の手元に届くまでの工程は、執筆や印刷、(表紙などの)デザイン、流通、販売など多岐にわたります。自主出版には、「そのプロダクトの0から100までを全部体験できる面白さがある。それをやることで、いまの出版流通の仕組みを“知りたい”という思いもあった。

また、モノそのものにもちゃんとメッセージがあるような気がしていて……どういう紙を選ぶかとか、(本の)手触りをどうするかとか、全部含めてのメッセージなので、そこを全部考えてみたかった」と明かします。

現在、数本の長編を同時に書き進めているそうですが、「僕はわりと世の中のニュースを遮断して生きているんですけど、なにか雰囲気を吸っちゃうんでしょうね。本当は明るく楽しく希望に溢れる小説を書きたいんですけど、(新型コロナの影響で)どうしても暗くなりがちで。そこを『えいっ!』って乗り越える“妄想パワー”を発揮できたら」と展望を語っていました。

【この記事の放送回をpodcastで聴く】
【この記事の放送回をイラストレポートで見る】


<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm


コンテンツパートナー記事とは
AdverTimes.編集部が注目する広告界のオウンドメディアから
読者に届けたい記事を厳選し掲載しています。