喧嘩を売るトランプ氏を、上手にいなしたバイデン氏のディスカッション

【前回コラム】「安倍首相の「資料トントン揃え」は百害あって一利なし」はこちら

9月29日、米国東海岸時間21時から米大統領選 第一回討論会が行われた。筆者が米大統領選のイメージ戦略について分析し始めてもう何回になるだろうか、などと思い出に浸っていられるのはわずかであったことを理解するには、そう時間はかからなかった。

なぜなら今回の討論会は、開始早々一歴史に残るカオスな討論会になったからだ。これが一国の大統領候補のそれなのか?と疑うほどであり、ディベートとは名ばかりのものだった。

出所/ABC News

トランプ氏は、バイデン氏が喋る番なのもお構いなしに、大声での発言や横入りを連発。暴言という妨害もあり、その場はカオスとなった。モデレーターがトランプ氏の発言を止めようと、何度も「Mr. President!」と注意していた。その数を数えていたけれど、途中で諦めたほどだ。筆者が知る米国在住者の中には、「嫌になって冒頭10分程度で見るのをやめてしまった」という人々も相当数いた。「見るに耐えない、聞くに耐えない」、それが米大統領選 第一回討論会だった。

そのような中でも色々と気付くことはある。世間では「子どもの喧嘩」もしくは「老人ホームの老人同士の喧嘩」という声を多く聞いたが、これは喧嘩にはなっていない。なぜならバイデン氏は、トランプ氏が仕掛ける喧嘩を買っていないし、パワーゲームにも載っていなかったからだ。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 3010 / 3562 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)
日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ