生産、加工、流通……産業工程の足りていない部分に地域中小企業は目をつけるべし!

【前回】「課題解決こそ、地域から“現場発”「この指とまれ」」はこちら

1次産業者だけでは難しい……6次産業化を地域共同でつくる!

本コラム

第1回

で、地域の生き残り戦略として「ストロングニッチ」について述べたが、今回も少し違う視点から述べたいと思う。

違う視点とは、地域による「6次産業化」である。「6次産業化」農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す造語であり、元々、1次産業である農林漁業の再活性化をための方策としてスタートしているため、1次産業従事者が2次、3次産業へと業務を拡大していく垂直統合型発想の施策として捉えられてきている。

しかし、この垂直統合型の6次産業化を地域の1次産業従事者が実行するのは容易でなく、大規模な農業経営を行っている農業法人や川上の1次産業へ拡大を志向する食品企業といった規模を有する所が先行しているのが現実である。

一方で、水平駆動発想とは、地域内の1次産業、2次産業、3次産業と様々な事業者や企業が参加し共同リレー方式で、6次産業化を創るというシステムである(図1)。

図1 6次産業化の2つのシステム

もちろん、ここで産業化、事業化する商品やサービスは、その地域ならでは独自性、ユニーク性を有するものでなくてはならない。現状、個人でユニークな産品を手掛けているが、垂直統合の6次産業化をつくれずにうまく軌道に乗せられない事例はたくさんあると想像する。

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丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)
丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)

日用品メーカーであるライオンでマーケティング職に25年以上従事し、2013年から現職。リサーチャー、ブランドマネージャー、事業部長など様々な立場でのマーケティング経験を活かし、学生とともに地域の課題解決にマーケティング発想で取り組む。共著に、『マーケティング部管理者の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『地方創生への挑戦』(中央経済社)など。

丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)

日用品メーカーであるライオンでマーケティング職に25年以上従事し、2013年から現職。リサーチャー、ブランドマネージャー、事業部長など様々な立場でのマーケティング経験を活かし、学生とともに地域の課題解決にマーケティング発想で取り組む。共著に、『マーケティング部管理者の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『地方創生への挑戦』(中央経済社)など。

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