“Brand Focus, Market Wide” 地域発マーケティングの戦略再考
丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)
日用品メーカーであるライオンでマーケティング職に25年以上従事し、2013年から現職。リサーチャー、ブランドマネージャー、事業部長など様々な立場でのマーケティング経験を活かし、学生とともに地域の課題解決にマーケティング発想で取り組む。共著に、『マーケティング部管理者の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『地方創生への挑戦』(中央経済社)など。
このコラムについて
地域創生が叫ばれて久しいですが、都市と地方の格差は拡大する一方です。さらに、新型コロナウイルスで、観光や飲食業などを中心に地域は多大なダメージを受けています。しかし、新しい生活様式としてICT環境が一気に進展拡大し、仕事や消費の場面で、今まで思っていたほどには“物理的な近さ”にアドバンテージがないことに人々は気付き始めています。これは、これからの地域のマーケティングに大きな変化をもたらすと私は期待しています。今こそ、都市や大企業をベースに考えられたマーケティングではなく、地域発のマーケティングを地域自身が創造していく必要があると思います。このコラムではそんな兆しを紹介していきます。
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コンセプトの「見える化」で地域には新しい市場を生みだすチャンスが広がっている!
本コラムのコンセプトである「Brand Focus, Market Wide(ブランドの物語を濃縮すれば、市場は世界にだって広がる!)」のブランドのフォーカスについて、再春館製薬所を取り上げて考察して...
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生産量No.1を地域活性に活かせるか!? 地元住民が自慢できる食材へ
今回は、本コラムのコンセプトである「Brand Focus, Market Wide(ブランドの物語を濃縮すれば、市場は世界にだって広がる!)」のブランドのフォーカスの仕方、ブランド物語の濃縮の仕方に...
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選ばれる地域になる方法~移住促進は逆転の発想で地元の“縁”者を狙え!
地方への移住促進は地域活性化の最大の課題のひとつである。多くの自治体が移住・定住促進施策を展開しているが、多くがその入り口の【認知、興味獲得】の段階で苦戦しているのが実態である。
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生産、加工、流通……産業工程の足りていない部分に地域中小企業は目をつけるべし!
本コラム第1回で、地域の生き残り戦略として「ストロングニッチ」について述べたが、今回も少し違う視点から述べたいと思う。違う視点とは、地域による「6次産業化」である。
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課題解決こそ、地域から“現場発”「この指とまれ」
新型コロナの災禍は、奇しくもこれまでの中央集権型のやり方の限界を露呈した。中央政府の方針が弱かったり揺らいだりする中で、実際の現場対応や対策は各自治体、首長の裁量・力量に頼るという状況が続いている。
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ニッチな地域商材を、世界で通じる「ストロングニッチ」に変えるには?
地域や地方でマーケティングを行う上で、最大のハンデは“規模”と言っても過言ではない。研究開発力や広告宣伝力、営業力などマーケティングに関わる資源は、一般的には企業規模と比例してしまうのである。